8月21日、Red HatがJavaとJavaScript仮想マシンのために作った言語、CeylonがEclipse Foundationに参加し、Eclipse Ceylonとなった。公式アナウンスにも示されているように、この動きの背景にあるのは、プロジェクトをRed Hatブランドから遠ざけてベンダー中立のイメージを確立し、もっとコントリビューターを引き付けることだ。同様のルートをたどったEclipse MicroProfileなどのプロジェクトでも見られるように、これは業界では珍しいことではない。
この動きの詳細について知るため、InfoQはRed HatでCeylonプロジェクトのリーダーを務めるGavin King氏に連絡をとった。公式に決定が下されて発表されたにも関わらず、コードベース全体の寄贈はまだ作業中だ。「Ceylonのコードベースは非常に大きくて、複数の相互依存するプロジェクトを含んでいるため、これはかなりの作業になります」King氏は語る。良い知らせは、この作業によって新たな機会が生まれることだ。Eclipse Foundationにはパッケージ命名に関する規則がある。これはCeylonのランタイムに影響を与え、新しいバージョンは以前のバージョンとバイナリ非互換になる。King氏はこれを利用して、言語にいくつか重大な変更を行うことを計画している。
「Ceylonの次バージョンは1.4になるはずですが、今はCeylon 2.0のようなものに近くなっています。EclipseにおけるCeylonの最初のリリースは非常に大きな改善をいくつか含んだ、かなりエキサイティングなものになると思います」(Gavin King氏)
民間企業が新しいプログラミング言語を作るときは必ず、その周りに作られたコミュニティは、言語の長期的発展がその背後にいる企業の商業戦略に結びついているかを気にするものだ。Javaエコシステムにおける他の人気のある例を見ると、これは特に重要だ。例えば、JetBrainsは、独自のJVMおよびAndroid言語であるKotlinを作る理由の一つは、IntelliJ IDEAのEnterprise Editionの売上を促すことだと公式に認めている。King氏は、Ceylonが特定のベンダーに属していると思われることが導入の妨げになっていると考え、両者の間にいくらか距離を設けるという判断を促した。もちろん、Red HatがCeylonをEclipse Foundationに引き渡すからといって、これ以上Ceylonに関わらないことを意味するわけではない。Gavin King氏とStéphane Épardaud氏(同じくRed Hat)の二人が引き続きプロジェクトをリードするが、新しいコントリビューターが参加してリーダーシップの役割を果たすことを期待している。
Ceylonは様々な国際会議や業界レポート(Rebel Labsの「The Adventurous Developer’s Guide to JVM Languages」など)で特集されてきたが、TIOBEのような指標によると、その利用率はまだ低い。Eclipse Foundationへの移行がこの状況を変えるのに十分かどうかは、時間がたてばわかるだろう。
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