多様性に関するセクションの導入について

InfoQではかねてから多様性について取り上げてきたが、今回、“Culture and Methods”の領域に新しく多様性のセクションを設けることで、このトピックをより明確化する決定を行なった。我々編集者は、企業や他の人々が自身の組織において多様性を促進するための、さまざまな方策を検討している。その始めとして、少女や若い女性のSTEMスキルを奨励する組織に関する、いくつかのニュース項目を取り上げる予定だ。

多様性が財務的成功を促進することは、データからも明らかだ。女性とマイノリティによる経営層への参画と財務的成功には、正の相関関係が存在する。多様性のあるチームは、均質なチームよりもパフォーマンス面で優れているのだ。

当面はITにおける性別の多様性に重点を置くが、人種、民族、年齢、神経多様性(neurodiversity)など、この業界で十分な存在感を持たないグループが組織に与える影響についても、順次取り上げていく予定である。そして、先日のGoogleからのニュースが示すように、思考の多様性(考えが違っても敬意を示す)もまた重要だ。Damore氏がGoogleに解雇されるまでの一連の出来事について、この記事で立ち入るつもりはない。その決定に至るまでに氏や氏のマネージャ、人事担当者が直面した可能性のあるすべての情報を、あたかも把握しているように振る舞うことはできないからだ。この件については、先日の我々のポッドキャストでも、Jez Humble氏と議論している。

組織がいかに多様性に取り組むかは、間違いなく組織文化の一部である。Susan McIntosh氏とManny Segarra氏は現在、文化に関する記事を執筆中だ。文化を説明するために、氏らは農業のアナロジを使用する。多様性とは、農家が何世紀にもわたって実践してきたプラクティスのようなものだ。複数の作物をマッチさせてお互いがサポートできるようにする、混植(companion planting)という方法がある。ネイティブアメリカンの伝統的な農業を例に取れば、“３姉妹(three sisters)”という方法がある。トウモロコシの茎が豆の登るポールを提供し、豆が窒素で土壌を豊かにし、カボチャ類の葉が雑草の成長防止と土壌の湿度保持を行なう、というものだ。多様性のある文化はこれと同じように作用して、グループ内のさまざまな知識やスキルや経験が、より創造的で生産的な環境を育むことを可能にする。

我々はInfoQにおいて情報豊かな環境を提供していくと同時に、読者からのフィードバックや提案を歓迎する。この話題は多くの人々を動揺させたり、あるいは不満を覚えさせる可能性があることは承知しているので、執筆においては関係者に対して可能な限りの敬意を払うとともに、読者にも敬意を持って接して頂きたいと思う。