Microsoftは最近のブログ記事で、顧客のために高可用性 (HA) と回復性のオプションを広げたことを発表した。今回のアップデートは、Azure Availability Zonesという形でやってくる。これは、インフラストラクチャの完全な冗長性と分離を提供することで、特定のリージョン内にある特定のAzureサービスの可用性を高めるものだ。Azure Availability ZonesはSLA99.99%を保障する。
Microsoftはこれまでも、高可用性、災害復旧 (DR)、バックアップを必要とする顧客にオプションを提供していたが、必ずしも全ての顧客ニーズを解決するものではなかった。Azure Availability Zonesを導入する動機について、MicrosoftでPrincipal PM Managerを務めるSaad Ladki氏は次のように説明する。
リージョンペアについては災害復旧に最適だというフィードバックを顧客から得ていました。しかし、リージョンペアは互いに離れすぎていて、同期通信ができません。アプリケーションがデータを書き込むもので、そのデータが非常に重要であり、分離された複数のロケーションを必要とするような場合、リージョンペアだとレイテンシが大きくて、うまくいかない可能性があります。これは意図的なものです。多数の障害から守るためには、リージョンを大きく離しておく必要があるためです。そこで私たちは、1つのリージョンで提供できる次のレベルの仕組みは何だろうかと考えました。それがAzure Availability Zonesの始まりです。
画像のソース: https://myignite.microsoft.com/videos/54920
Azure Availability Zonesは、Azureリージョン内で障害の影響を分離したロケーションで、冗長化された電力、冷却、ネットワーキングを提供する。Microsoftでグローバルインフラストラクチャのヘッドを務めるTom Keane氏は、このアーキテクチャの利点を次のように説明する。
Availability Zonesを使うことで、顧客は高可用性と耐障害性を要するミッションクリティカルなアプリケーションを実行できます。発表されている世界42箇所のリージョン(他のどんなクラウドプロバイダーよりも多い)を持ち、世界最大のネットワークの1つに支えられているAzureは、世界中のユーザと顧客のそばまでアプリケーションを届けるのに必要なスケールを提供します。
現在のところ、Availability Zonesが使えるのはEast US 2 (Virginia) とWest Europe (The Netherlands) だけで、年末までにUS、Europe、Asiaでリージョンの追加が計画されている。新しいFrance Centralリージョン (Paris) のローンチ時には、Availability Zonesも含まれる予定だ。
サポートされるAzureリソースには以下が含まれる。
- 仮想マシンとスケールセット
- Managed Disks
- パブリックおよび内部IPアドレス
- パブリックおよび内部ロードバランサ
画像のソース: https://myignite.microsoft.com/videos/54920
MicrosoftのAvailability Zonesに関する発表では、大西洋横断海底ケーブルMAREAの敷設完了についても説明された。これはMicrosoft、Facebook、Telxiusのジョイントプロジェクトで、バージニアとスペインを高速ネットワークリンクでつなぐものだ。Microsoftはこう予測している。
(MARSEAは)米国と欧州間における、高速で信頼性の高い接続の需要増を支えるのに役立つでしょう。これには、フランスほか、これから登場する新たなAzureリージョンも含まれます。
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