Google Cloudは、Cloud IoT Coreサービスのパブリックベータをリリースした。これはフルマネージドのIoTメッセージングおよびデバイス管理を提供するものだ。これまで一部の顧客に対してプライベートプレビューを提供してきたが、今回のリリースで、すべてのユーザーにサービスを公開し、他のクラウドベンダーに競合するIoTソリューションを提供することになる。
このサービスは、何百万ものデバイスに対する双方向のコマンドとコントロールをサポートして、プロビジョニング、デバイス登録、デバイス管理サービスを提供し、業界標準プロトコルであるMQTTとHTTPを介したコミュニケーションをサポートする。
パブリックリリースでは、以下のような新機能が追加される。
- 独自の証明書を導入することで、顧客自身の認証局でデバイスのバルク・オフライン・プロビジョニングを行い、Cloud IoT Coreに証明書と公開鍵を登録して、デプロイ時にデバイスのリパーパスを不要にすることができる。
- MQTTに加えてHTTPをサポートすることで、様々なデバイスとゲートウェイのデータ取り込みシナリオを実現可能にする。
- デバイスの論理表現を用いて、デバイスの状態と設定管理をオンラインとオフラインの両方で可能にする。
今年の5月のサービス導入以来、彼らのIoTソリューションは、運輸、石油・ガス、公共事業、医療、ライドシェアリングなど、様々な業界で利用されている。
そうした企業のひとつ、Smart Parkingは、スマートパーキングからスマートシティへと進みながら、新たなインサイトを得るためにCloud IoT Coreを活用している。Smart ParkingのCTOであるJohn Head氏は次のように語る。
私たちのデバイスは大量に使われ、絶えず大量のデータを送ります。こうしたデバイスをCloud IoT Coreに接続することにより、安全で信頼性の高い方法で、データを取り込むだけでなく、それを使って価値あるインサイトを得ることができます。
サービスはチップメーカーNXPのサポートのもと開発され、Intel、Microchip、Cisco、Armを含む、多くのデバイスとアプリケーションパートナーをサポートする。
フルマネージドサービスとして、また、より大きなGoogle Cloud Platformの一部として、Cloud IoT Coreは、Google Cloud Pub/Sub、Google Cloud Dataflow、Google Cloud Bigtable、Google BigQuery、Google Cloud Machine Learning Engineといった、配信、分析、ストレージ、インサイトのためのサービスにネイティブに接続でき、他のGoogleクラウドサービスと連携して利用することができる。
デバイスの登録と操作のためのAPIレイヤーがあり、これを使って、デバイスのプロパティやオフライン準備や再接続時の状態を取得・更新することができる。
また、GoogleのAndroid ThingsハードウェアおよびSDKとともに使うことで、デバイスはファームウェア更新を自動で受け取ることができる。
価格はわかりやすく、月々のデータ使用量に基づく。継続的なコストが把握しやすいよう、3つのプランが用意されている。また、簡単なプロトタイプをテスト・構築できるように、月々250MBまで使える無料プランも追加している。
Tier |
料金 |
月々のデータ量 |
Free |
$0.00 |
最初の250MB |
Standard |
MBあたり$0.0045 |
250MBから250GBまで |
MBあたり$0.0020 |
250GBから5TBまで |
|
MBあたり$0.00045 |
5TB以上 |
GoogleはCloud IoT Coreプラットフォームで市場に乗り込む。これは、Amazon AWS IoT、Microsoft Azure IoT Hub、IBM Watson IoTといった他の大きなクラウドプロバイダーによるソリューションに相当する。
Rate this Article
- Editor Review
- Chief Editor Action