PASS Summit 2017は、SQL ServerおよびMicrosoft関連データテクノロジのユーザー向けカンファレンスだ。カンファレンス初日、MicrosoftのRohan Kumar氏がオープニングキーノートを行い、SQL ServerとAzureベースのデータベースに関する最新の進歩について説明した。
Kumar氏は主に3つのテーマ、データ・AI・クラウドへの取り組みについて語った。彼は「Modern Estate」について説明した。そこでのデータストアは、プライベートでオンプレミスのデータストアからパブリッククラウド、そして中間のハイブリット領域まで広がっている。Kumar氏がカンファレンス出席者に挙手してもらったところ、ほとんどの企業がハイブリッドクラウドのアプローチを計画していることがわかった。
Kumar氏はSQL Server 2017の採用率に関する統計を紹介した。200万件のプレビューが一般公開へとつながり、Microsoft Igniteカンファレンスで1ヶ月前に始まった一般公開以来、50万件のトライアルがあったという。
キーノートでは、SQL Server 2017および関連テクノロジの重要なところを紹介するデモが行われた。今度のHP Gen10 DL580は永続的メモリをサポートし、SSDからインメモリへの移行によるクエリが15秒から約2秒に削減されるのを実演した。また、SUSE Linux Enterprise Server上で動くこともハイライトのひとつだ。
SQL Server 2017の利点として、自動チューニングの導入もある。このシナリオでは、データベースがクエリ実行中のパフォーマンス低下をリアルタイムで認識し、DBAの関与なしに、それを修正することができる。
Kumar氏によると、Azureでは現在のところ、およそ200万のDBが稼働中だという。Microsoftはさらなる採用増加のため、Azure SQL Database Managed Instance(全SQLインスタンスがAzureで管理される)を提供する新たなデプロイ・オプションを導入している。
Azure SQL Databaseの機能
- インテリジェントなDBaaS
- プライバシーと信頼性
- シームレスと互換性
- 競争力あるTCO
Igniteで最初に導入されたAzure Data Factoryの改善について、ユーザーから指摘された主な改善すべきところは、時系列を含まないデータを簡単にモデル化できないことだったとKumar氏は言う。そこで、改善されたAzure Data Factoryが発表された。
新しいAzure Data Factory
- 多様なデータ統合シナリオを簡単にモデル化
- オンプレミス、クラウド、SaaSを横断するデータ統合の作成と管理
- 30のコネクタによるサービスとしてのデータ移動
- SQL Server Integration Services (SSIS) ワークロードのクラウドへの簡単移動(プレビュー)
AzureのSQL Server Integration Services
- Azure Data FactoryがSSIS実行のためのマネージ環境を提供する
- ノード数とノードサイズの選択
- Windows、Linux、Azure Cloudで、同一のSSISランタイム
Scott Currsie氏は、BIML (Business intelligence markup language) を使ったAzure Data Factoryのデモを行い、Azure Data Factory V2はBIML属性を完全にサポートしていると説明した。
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