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2017年、F#はバージョン4.1に到達した。.NET Core 2.0リリースと時を同じくしたことを大きな理由に、ユーザコミュニティは拡大し、ツーリングとカンファレンスでの存在感も増している – MicrosoftプログラムマネージャのPhillip Carter氏は、このように記した。
言語面においてF#が2017年に達成した最も重要な成果は、F#4.1のリリースだ。決してマイナーリリースではなく、struct tupleやstruct record、struct discriminated unionを始めとする多数の新機能が導入されている。さらに、オプションパラメータが4.1で修正され、呼び出し側情報のサポートが追加されたことにより、ログ処理がより柔軟になった。
さらに重要だとCarter氏が指摘するのは、F#を支えるコミュニティの成長である。プロダクトのテレメトリ情報や、Twitter、GitHub、F# Software Foundationの活動から、それが伺い知れる。テレメトリデータによれば、F#のアクティブなユニークユーザは数万人に達しており、前年比で20パーセント増加している。興味深いのは、テレメトリのデータが、.NET Core 2.0のリリースと同時に増加していることを示している点だ。しかしながらCarter氏は、Microsoftが非テレメトリ環境のF#ユーザを考慮する取り組みをしていないという理由から、テレメトリは難しいトピックであって、控えめな推定数を提供しているに過ぎないことを認めている。
Carter氏によれば、F#はツーリングも2017年にさらによくなった。まず挙げられるのは、.NET Coreをインストールした時、Visual Studio 2017でF#がデフォルトで使用可能になったことだ。Visual Studio 2017には.NET Coreと.NET Standardの両方でF#のサポートが追加されていて、C#と同等の扱いとなっている。同じように、Visual Studio for Macでもデフォルトで使用可能で、Azure FunctionsやAzure Notebooksもサポートしている。これによってF#は、ツーリングの充実した関数型言語というその目標に、さらに一歩近づいたことになる。
Carter氏によれば、F#が発展する上での.NET Coreと.NET Standardの重要性は、F# OSSエコシステムの大部分がそれらの定義に準拠するためのマイグレーションを行なったことで、さらに実証されたと言える。中でもCarter氏が注目するオープンソースプロジェクトとして挙げたのが、.NET Core上でWebサービスを記述するSuaveとGiraffe、そしてフルスタックのF#アプリケーションの記述を可能にするJavaScript変換コンパイラのFableだ。
最後にCarter氏は、2018年におけるF#の明るい見通しとして、ツーリングのさらなる改善、コミュニティの拡大、OSSアクティビティの強化について記している。2018年に登場予定の注目点としては、.NET Standard 2.0でのタイププロバイダの導入、F# REPLの.NET Coreサポートなどがある。
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