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2018 State of Testing調査は、テスト専門職の技能向上とテストトレンドに対する意識についての情報提供を目的とする調査である。2018年は、この調査の開始から5年目となる。
“State of Testing”は、テストコミュニティが直面する現在の状況やプラクティス,課題をといったものを特定し、明確化して,改善に向けた実りある議論を提起するものです。
この調査は2018年1月に実施された。取りまとめたのは,PractiTestのJoel Montvelisky氏とTea-Time with TestersのLalit Bhamare氏だ。
今年の調査について、両氏に話を聞いた。
InfoQ: 2017年の調査のおもな成果は、どのようなものだったのでしょう?
Joel Montvelisky: 2017年の調査では、非常に多くの成果を得ることができました。個人的にあげたいのは、次の部分です。
- 回答者の約75パーセントが、組織内にCIあるいはCDがあると報告しています。組織数の多いことは知っていましたが、これほど採用率が高いとは想像していませんでした。
- 85パーセント以上の組織でアジャイルプラクティスが使用されていることに驚きはありませんしたが、ウォーターフォールがいまだ健在で、40パーセント以上の組織がプロジェクトで使用しているということは意外でした。
- 興味深いのは、主にテスタを始めようという場合、彼らが仕事を探す上では、大企業に行くよりも、小さな企業やスタートアップの方に大きなチャンスがあるという点です。大企業のテスタが経験者と新人のバランスが取れている一方で、小さい企業は経験者を求めていると思っていましたので、この結果は意外でした。
Lalit Bhamare: 私にとって2017 State of Testingの最大の収穫は、非常に先進的なテスト文化と非常に保守的なテスト文化が世界各地で共存している、という認識を得たことです。ですから、私たちの気付いた内容を統括するのはちょっと複雑な作業になるでしょう。とは言っても、新たな変化(技術的あるいは方法論的な)を取り入れようという傾向はありますし、テスタを取り巻く状況はさまざまであっても、彼らはそれをキャッチアップしようとしています。
今回の調査は、これらの状況を解析する上で大いに役立ちました。テスト文化を極めて保守的なものにしている要素は何か、一部の地域でテストが非常に進んでいるのはなぜか、といったことの理解を助けてくれたのです。Joelが適確に指摘したように、CI/COの導入を決定した企業では、そのテスト方法をテスタに強いることを通じて、組織の文化全体が変わっていきます。いまだウォーターフォールやスクラム-フォール(Scrum-fall)、あるいは独自バージョンのアジャイルに留まっている企業であれば、テスト文化もそれに沿った形を取っているものです。
テスタがこれまで課題と考えていた点については、それほど改善される様子がなく(トレーニングやカンファレンスの予算、報告対象である開発マネージャのテストに対する認識不足など)、現在でもテスタが苦労する理由のひとつになっています。
InfoQ: 2018年の調査で目新しい部分は何でしょうか?
Montvelisky: 今年は幸運なことに、優れたテスト支持者や専門家のグループが集まって、テスト作業のさまざまな面に目を向けるための、新たな質問を提案してくれました。より技術的な面についての質問も追加しています。そのような中でも、今回の調査で最大のニュースは、今回の質問のいくつかが5回目であるということから、より深く、私たちのプロフェッショナル分野における真の動向と発展を知ることができたという事実でしょう。
Bhamare: 今回の調査では質問をさらに増やすとともに、より詳細な情報を見出すために、いくつかの質問に選択肢を追加しました。今年の調査委員会が、対象としたトピックに複数のコンテキストを加えることができたという意味で、極めて有効に機能したことは間違いありません。今回の調査結果に対する反応を、今から楽しみにしています。
基本的には、この業界における変化要因に対して起こっていることを経時的に捉えられるような調査を、意図的に行なうようにしています。
InfoQ: 今年の調査にはどのようなことを期待しますか?
Bhamare: 基本としては、より多くのテスタにリーチして、可能な限りの情報を収集し、包括的な傾向分析を行なえるようにしたいと考えています。
私たちが現在トレンドと認識しているものがさらにトレンドとなっていくのか、あるいは時間の経過とともに衰退していくのか、という点にも大きな関心を持っています。テスタたちが何を受け入れるのか、それを成功させるために何を諦めるのか、非常に興味深いところです。
Montvelisky: 私は、テスタたちが仕事に使っているさまざまなテクニックがどのようになっているのか、見てみたいと思っています。自由形式の質問の“その他”に書いてある答を読んで、新たな興味深い気付きをもらうのを、いつも楽しみにしています。
年を重ねるにつれて回答者の数が増え、回答の内容も多様になっています。プロフェッショナルとして私たちが今いる場所だけでなく、今後どこへ向かうべきかを理解する上で役立つような、新しい、興味深い回答を心待ちにしています。
“2018 State of Testing”調査の参加者は,調査結果の公開時に,その全ての内容を無償で受けとることができる。
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