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Java EEガーディアンズが、彼らは数ヶ月に及ぶJavaコミュニティのフィードバックに対してオラクルが返答しなかったことに不満を持っていた人々であるのだが、 今年の初めに公開質問状を提出した。EE4Jでの"Java"という名前や"javax"というパッケージ名を使うことに対してオラクルが制限をしていることへ懸念を表明するためであった。オラクルは商標利用ガイドラインに基づいたポジションを維持してきた。有名なJava EEエバンジェリストであるCapTech Consultingのシニアアーキテクト、Reza Rahman氏もオラクルへ公開質問状のコピーを個人として送っている。
オラクルが2017年8月にJava EEをオープンソースにした直後、Rahman氏はTwitterでJava EEの名前を変更する可能性に関して調査を実施し、次のような結果を得た。
JavaコミュニティはJava EEという名前の維持に圧倒的な票を入れた。
2017年9月、オラクルは所有権をEclipseファウンデーションへ移行すると発表した際に、Java EEの名前を変更したいとはっきり述べた。それに応えて、Java EEガーディアンズはフィードバック提供のためJavaコミュニティに向けてフォームを公開した。コメントはすべてオラクルのfeedback@javaee.groups.ioというeメールアドレスと、IBM、レッドハット、Eclipseの上級社員へ送られた。Rahman氏はInfoQにこう話している。
結果、ブランド戦略の問題について大量のフィードバックをeメールアドレスが受け取っていることは間違いありません。今でも人々はフォームを使い意見をオラクルに伝えています。
Eclipse FoundationのオープンソースプロジェクトのディレクタであるWayne Beaton氏は2017年11月に新しいブランド名を選ぶため選定プロセスを開始した。彼は理論的な根拠を述べている。
私たちには"Java EE"に代わる新しい名前が必要です。OpenJDKプロジェクトがJava SEプラットフォーム仕様を実装することによく似たように、EE4Jプロジェクトは今日私たちがJava EEと呼ぶ一連の仕様を実装を提供します。私たちはこの一連の仕様へのブランド名が必要なのです。
この選定プロセスは2週間公開されていて、結果はEE4Jのプロジェクト管理委員会によりレビューされた。
Rahman氏はJavaコミュニティからのフィードバックを再度強く求め、今度はJava EEという名前とパッケージ名javax.enterprise
の維持について調査した。
Javaコミュニティは再度Java EEという名前とパッケージ名javax.enterprise
の維持に圧倒的な票を入れた。
オラクルへの公開質問状で、Rahman氏はブランド変更に対するJava EEガーディアンズの意見をまとめている。
この要求は、コミュニティと業界の利益を最優先に考えたものと合っていないと思います。これは実際にはオラクル自身のビジネス的な関心に当てはまるものかもしれません。Java EEはマイクロサービスとクラウド、サーバレスコンピューティングの方向に一層向かっているからです。
Java EEを改名しパッケージ名を変更するという現在の方針は誤っているというのがコミュニティの意見です。調査の際、開発者はJava EEという名前とパッケージ名"javax"の維持を圧倒的に支持しています。こうした傾向は現在のEE4Jの計画が宣言されたにも関わらず何ヶ月間も変わっていません。
オラクルでWebLogic Serverの製品管理のディレクタであるWill Lyons氏はRahman氏に返答した。こう述べている。
Java EE開発プロセスが最初に作られてから業界は変わっています。プロセスは十分にすばやく、柔軟でオープンなものと思われていません。私たちに共通する目標は、各ベンダに依存しないより柔軟なライセンス発行とよりオープンな運営の、よりすばやいプロセスを作ることです。これはより多くの参加とイノベーションを促すだろうと思います。コミュニティ全体からこの新しい方針に対して多岐に渡るサポートがあると考えています。
この新しい方針には多くの変更が含まれます。技術開発プロセスにおける変更から始めています。Java EEのプロセス、よりはっきりと言うとJava EE開発に使われていたJCPプロセスは大いに組織立ったプロセスです。これは技術が指定され実装される方法に対する大きな影響力をスペックリードに与えるものです。EE4Jプロセスは違うでしょう。よりオープンでしょう。オラクルを含む各ベンダは貢献を続けますが、もはや新しいEE4J技術の進化の手段に対して同レベルの影響力を持たないでしょう。これがコミュニティに対するポジティブな一歩であるという合意はあると思っています。
現段階では、Java EEにある既存のjavax.*
パッケージはJavaコミュニティで引き続き使用でき、所有権はEclipseファウンデーションへ移管されるが、今後のパッケージはorg.eclipse.xxx
となるだろう。
Javaコミュニティからの"Java"と"javax"という名前を維持したいというデータを用いたRahman氏とJava EEガーディアンズの尽力にも関わらず、Java EEの新しい名前を決定するプロセスは進むだろう。Java EEの新しい名前を選定する新投票が公開された。2つの選択肢がある。
- Jakarta EE
- Enterprise Profile
この投票は2018年2月23日に締め切られる。参加者は一度だけ投票できる。
Jakarta EE
ApacheファウンデーションがかつてさまざまなJavaのサブプロジェクトを管理するのに使っていた。たとえばAntやCommons、JAMESなどだ。Jakartaという名前は2011年12月にサブプロジェクトがすべてそれぞれ独自のプロジェクトとなった際に引退している。
Tomitribeの創設者であるDavid Blevins氏はJava EEからJakarta EEへの移行についてブログに投稿しただけでなく、ブランド変更におけるTomitribeの元々の姿勢も述べている。
私たちはJava EEのブランド変更については大部分においておおむね沈黙を保ってきました。"Java EE"が好きだったからというのと、Javaの商標周辺は法的にかなり複雑であるというのもさらに大きな理由です。
IPFWのシニアプログラマ/アナリストであるKenneth Jaeger氏は2017年11月のBeaton氏のブログ投稿に応えて、もともと名前を提案していたが、あまりよく受け止められていなかった。Blevins氏はそれを復帰させた。
それにはすぐに反対票が8つ入り、私は最初それがいいということも認めませんでした。数週間後、魔法のようなことが起こりました。このような状況で起こりがちなことですが、すでに考案されたことを無意識に考案してしまうものです。
Cybercom GroupプリンシパルコンサルタントであるIvar Grimstad氏もJakarta EEという名前に対する支持をブログに投稿した。
InfoQはブランド変更についてRahman氏と連絡を取り、以下の文章を公表した。
公式でオープンスタンダードなJavaプラットフォームから強制的にEE4Jを遠ざける決定はコミュニティにいるほとんどの人々にとって納得できるものではないと私はまったく疑いなく思っています。残念ながらこの段階でコミュニティが建設的にできることはすべてやってしまっていると思います。これをさらに進めると、激しい戦いの後にオラクルがJava EEブランドの管理を手放すことを拒否した場合、EE4Jの主導権を損うリスクがあります。
Jakarata EEはオラクルの協力が得られない今、もっとも親しみがあるものです。私のフェローであるJava EEガーディアンズのKenneth Jaeger氏がもともと提案したのはそれが理由です。EE4Jがその提案を選びApacheがその名前を許可してくれたことを私はうれしく思います。きれいに省略すればJEEとなりJakartaという名前はサン・マイクロシステムズ同様オープンソースのJavaにおいて長い伝統があります。この名前はコミュニティにとても温かく受け入れられていますし、そのことがすばらしい兆候です。私はJakarta EEが勝つと思います。
資料
- Java EEの開放 - 更新 David Delabassee氏 (2017年9月12日)
- Oracle、Java EEの移管先にEclipse Foundationを選ぶ InfoQ (2017年9月17日)
- EE4J、EclipseファウンデーションがオープンソースJava EEを準備 InfoQ (2017年10月25日)
- オラクルがEclipse MicroProfileプロジェクトへ加入 InfoQ (2017年11月27日)
- Java EEの新しい名前の投票 InfoQ (2018年2月8日)
- Java EEはどこへ向かうのか? Java EEガーディアンズ (2018年1月11日)
- Java EEからJakarta EEへ David Blevins氏 (2018年2月8日)
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