読者の皆様へ: あなたのリクエストに応じて、大切な情報を見逃すことなく、ノイズを減らす機能を開発しました。お気に入りのトピックを選択して、メールとウェブで通知をもらいましょう。
テキサス州オースチンで先日閉幕したKubeconには、4,000人を越えるエンジニアが参加し、Kubernetesで埋め尽くされた。セッションや廊下での会話の中で、2番目に注目を集めたトピックはIstioだったようだ。
Istioは(現時点では)Kubernets上でマイクロサービスを開発するためのプラットフォームで、カナリア、Red/Blackデプロイメント、ロードバランシング、インテリジェントルーティング、詳細なテレメトリとレポートなどの機能を提供する。
Istioプロジェクトのコントリビュータで、MicrosoftでAzure Container Servicesのプログラムマネージャを務めるLachie Evenson氏に話を聞いた。KubeconでIstioプラットフォームを紹介する講演を行った氏は、Istio以外に、マイクロサービスやKubernetes、それらが企業の開発者やアーキテクトにいかに関わるかについても話してくれた。
InfoQ: KubeconでのIstioのアクティビティは過去最高でした。何か特別な理由があるのでしょうか?
Lachie Evenson: Kubernetesコミュニティ内で完成の域に達した、ということでしょう。Kubernetesクラスタのデプロイと運用に関する問題が単純化されたことで、Kubernetes上でマイクロサービスをサポートするためのプラットフォーム構築に関心が移りつつあります。これはまさに、Istioとサービスメッシュが対象とする部分です。
InfoQ: Istioとマイクロサービスの全般的なシナジー、特にKubernetesとIstioについて、詳しく説明して頂けますか?
Evenson: Istioはマイクロサービスを構築、デプロイ、管理するためのプラットフォームです。Kubernetsは、Istioがサービスを構築するためのランタイム抽象化を提供します。Istioはオペレータと開発者の両方に機能セットを提供して、マイクロサービスのデプロイメント、管理、イントロスペクションを実現していきます。
InfoQ: Istioについて語るとき、サービスメッシュという言葉がよく現れますが、Istioを使わなくても、Kubernets上に独自のサービスメッシュを開発できるのではないでしょうか?
Evenson: Kubernetes上に自分自身のサービスメッシュを展開することは可能ですし、実際に成功している人もたくさんいます。そういったサービスメッシュのほとんどは、通常はオープンソースを集めて、ビジネスのニーズに合うように独自の方法で動作させているものです。それに対してIstioのコンポーネントは、すべてそれ自体がマイクロサービスとして提供されています。エンドツーエンドで設計された、モジュール型で拡張性のある、一貫したユーザエクスペリエンスを提供するプラットフォームなのです。
InfoQ: 企業で主にレガシアプリケーションの開発に従事している開発者やアーキテクトにとって、そもそもIstioは関係のあるものなのでしょうか?
Evenson: もちろんです。従来型システムのリフト・アンド・シフトで問題となることのひとつは、アプリケーション開発者が新たなシステム(例えばKubernetes)を学ぶ必要のあることです。この学習曲線が大きい場合があるのです。Istioでは、各マイクロサービスのセルフサービスを可能にする開発者ツールが提供されるので、Kubernetesに関する深い知識は必要ありません。Istioを使っていることさえ、意識する必要がないくらいです。
InfoQ: サイドカーパターンとは何か、それがIstioでどのように中心的位置を占めているのか、技術的に詳しく説明して頂けますか?
Evenson: Istioの最も簡単な構成は、Envoyデータプレーン上で動作する制御プレーンです。Envoyはサービスメッシュの入出力トラフィックのために必要です。サードカーパターンは、すべての入出力トラフィックがEnvoyを経由するようにEnvoyを配置し、Podルーティングを操作するためのものです。これによってユーザの視点からは、アプリケーションのシームレスな統合が可能になります。
InfoQ: IstioはKubernetes専用ではないと思うのですが、他のプラットフォーム、例えばCloud FoundryやOpenShiftなどでも動作するのでしょうか?
Evenson: そうです。Kubernetesはプラットフォーム抽象化のひとつに過ぎません。Cloud FoundryやMesosなども現在計画中です。これによって、ランタイムオーケストレータのプラットフォーム抽象化モデルが明確になると思います。
InfoQ: Istioのロードマップはどのようになっていますか?
Evenson: 当面の目標は、Istioを実運用で使用可能なレベルにすることだと思っています。ミキサアダプタも充実させます。最新のロードマップの内容について知りたいのであれば、コミュニティに参加して、ミーティングに参加することをお勧めします。
基調講演などの記録ビデオは、Kubeconのスケジュールページで見ることができる。
この記事を評価
- 編集者評
- 編集長アクション