短命なJavaScriptフレームワーク

Stack Overflowを使った新たな分析から、JavaScriptフレームワークのライフサイクルの短さが明らかになった。ただしこのデータは、メジャーなフレームワークと特定のニッチを満たすものとの違いが強調された結果かも知れない。

ブログ記事の中で、Stack Overflowの開発者であるIan Allen氏は、JavaScriptフレームワークのライフサイクルには急速な人気の高まりと、フレームワークが支持を失うに伴って下火になる部分がある、と述べている。

フレームワークの人気獲得に伴う急速な上昇に続いて、開発者が新たなテクノロジに移行することによる、少し遅いが着実な減少の時期が見られます。これらのライフサイクルが、たった２年で終わるのです。

このパターンの例として、Allen氏はbackbone.js、ember.js、knockout.jsをあげている。氏らの分析と同じStack Overflow Trendsツールを使用して、InfoQでは、これら小規模なフレームワークに、Angular.js、Angular、React.jsといった大型のフレームワークを(同じスケールで)重ねてみた。

図１. 各JavaScriptフレームワークに関する、月毎のStack Overflowでの質問数の比率を示すグラフ

このバージョンのデータからは、Angular(2+)とReactが依然として上昇傾向にあり、小規模なフレームワークと同じパターンになっていないことが見て取れる。あるいは、ライフサイクルの形状は同じだが、コミュニティにおける使用数の違いのため、タイムラインが異なっているのだとも考えられる。

Vue.jsは現在、興味深い時点にある。比較的新しいフレームワークで、2014年の中頃までは目立った動きが見られなかった。2ないし3年というライフスパンが正しければ、新たなフレームワークの市場参入に伴って、2018年から2019年始めに消滅するはずだ。あるいは、もしAngularやReactに匹敵する存在であるならば、上昇はまだ始まったばかりということになる。

図２. Vue.jsに関する、月毎のStack Overflowでの質問数の比率を表すグラフ

ただし、StackOverflowは間接的な指標に過ぎない。ソフトウェア開発者の間では人気の高い質問サイトだが、誤解を招くかも知れない理由がある。例えば、Hacker NewのユーザKajayachtは、質問がすでに回答されている可能性を指摘する。

... 時間が経つにつれて、[jQueryに関する]質問は既出になっていきます。例えば、クラスやIDではなく属性に基づいてエレメントを選択する方法を知りたければ、すでに回答が寄せられています。従って、jQueryに関する質問が2009年より2017年に少ないのは当然なのです。