読者の皆様へ: 皆様のご要望にお応えすべく、ノイズを削減する機能セットを開発しました。皆様が関心をお持ちのトピックを、EメールとWeb通知で受け取ることができます。新機能をぜひお試しください。
“Fluent UI”あるいはリボンデザインに関して,Corelが特許訴訟で敗訴したというニュースが伝えられた。このUIは,1990年代から使われてきたメニューとツールバーのデザインに代わってMS Office製品に採用されたものだ。
2005年,Microsoftは,新たなユーザインターフェースとしてリボンを発表した。Jensen Harris氏は当時,新たなUI導入の背景を“Why the UI, Part 1”および“Part 2”で説明し,その後も長年にわたって、Office 2007のUIに関する多くの記事を執筆している。
リボンUIは,Office 2007のWord,Excel,Access,Powerpointで正式にリリースされた。(以降のバージョンでは,他のOffice製品にも採用されている。)ほぼ同じ頃,同社は特許ライセンス契約についても発表した。この契約には,各ボタンの間隔に到るまで,UIの構成に関する詳細な説明が含まれている。ライセンスを受諾した場合は,現行および将来的な設計ガイドラインに厳密に従わなければならないと同時に,MS Officeと直接競合する製品を開発することが禁じられた。この時点でライセンスの受諾には懸念があったため,多くの開発者は新しいデザインを高く評価する一方で,契約への署名は拒否していた。先行技術を主張するものもあった。
その後ライセンス契約は廃止され,Office UIfライセンスに関するリンクはすべて,現在ではブランクページを指している。この状況でのCorelに対する訴訟は,多くの開発者を戸惑わせている。以前に比べれば普及度ははるかに低くなったが,デスクトップアプリケーションは現在でも開発が続けられており,Windows ExplorerやPaintといったWindowsアプリケーションとの整合性のために,リボン風のUIが選択されることも少なくない。
Stack Exchange Lawのある匿名ユーザが,2013年のインターネットアーカイブからサポートページを発見した。Microsoftのサイトからはすでに削除されているため,現在も有効であるかは不明だが,本文全体は次のようなものだ。
2006年にローンチされたOffice UIライセンスプログラムは廃止されています。同プログラムが導入された2006年時点には,Officeリボン用の開発者フレームワークは存在しませんでした。Microsoftのツールとテクノロジは現在,WindowsアプリケーションにOfficeリボンUIを実装することを目的とした,さまざまなオプションとコード,開発者フレームワークを提供しています。
Office UIライセンスプログラムにすでに署名して,ライセンス事項を受諾している開発者は,各ライセンス条項にしたがって,引き続きそのライセンス下でOffice UIを実装する権利を有します。既存のOffice UIプログラムライセンス所有者には何の変更もありません。
廃止されたプログラムによるOffice UIの使用ライセンスを所持していない場合は,Microsoft製のツールおよびフレームワークを使うことで,現在および今後のWindowsアプリケーションにリボンUIを使用することができます。その場合は,Microsoft開発者フレームワークに関するライセンス条項が適用されます。例えば,リボンUI開発用にライセンスされた現行の開発者フレームワークには,次のものが含まれています。
- Microsoft Ribbon for Windows Presentation Foundation (WPF)
- Windows Ribbon Framework
- Microsoft Windows SDK for Windows 7および.NET Framework 4
- Ribbon Extensibility Overview
- Microsoft Foundation Class Ribbon Component (Microsoft Windows SDKと同じライセンスで使用可能になりました)
Office UIライセンスプログラムのライセンスを所持せず,Microsoftのツールおよびテクノロジの使用を望まない場合について,別途Office Ribbon UIライセンスプログラムを用意することは致しません。廃止されたライセンスプログラムについて不明な点は,officeui@microsoft.comまでEメールでお問い合わせください。
Microsoft Ribbon for WPFコントロールの2010年バージョンとその使用方法は,現在も公開されている。NuGetでも多数のリボンライブラリが提供されているが,今後の状況には疑問が持たれている。
InfoQでは今後,この話題をより明確にするためにMicrosoftの法務部門と連絡を取り,さらなる情報が入り次第記事を更新する予定である。
この記事を評価
- 編集者評
- 編集長アクション