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ビジネスプロセスにおけるブロックチェーンとスマートコントラクト

原文(投稿日:2018/01/31)へのリンク

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インターネットポータル経由で何かを、例えば車のような高価なものを購入する場合、買い手と売り手のように、お互いに信頼していない2つの当事者が関与するのが普通だ。ポータルは単なるブローカなので、買い手側が商品の届く前に代金を支払うか、あるいは売り手側が代金の届く前に商品を送らなければならない。この相互信頼欠如の克服にブロックチェーンが利用できる、とBernd Rücker氏は主張する。

Camundaの共同創設者で、ロングランニングプロセスに10年以上の経験を持つRücker氏は、このような信頼の欠如について、従来ならば当事者双方から信頼されている仲介者を導入することで解決されていたものだ、と指摘する。購入者が代金を仲介者に送り、仲介者は商品を受け取るまで販売者への転送を遅らせるのだ。ただし、このサービスは無償ではない - 仲介者は一定金額あるいは支払金額の何パーセントかを料金として請求する。

ブロックチェーンは、関連するすべての人々にデータを配布し、格納されたデータの改ざんを暗号化によって不可能にするデータベースを提供することで、同じ相互信頼を確立することができる、とRücker氏は考えている。ひとりの管理者がデータの管理と保護を行わなくても、誰もが信頼できるデータストアになるのだ。

スマートコントラクト(Smart Contract)はブロックチェーン内で動作し、データと同じ方法で保護される、小さなソフトウェアプログラムである。暗号通貨(cryptocurrency)と併用することで、特定の金額を安全かつ信頼できる方法でロックするコントラクトを作ることができる。技術的に見たスマートコントラクトは、シンプルかつ公開された、極めて簡単に実装可能なステートマシンである。コントラクトの実行にはコストを要するが、一般的な仲介者の費用に比べればごくわずかだ。

このような方法を採用すれば、相互の信頼がなくても自動化されたエンドツーエンドのプロセスを作ることは可能だが、ブロックチェーンやスマートコントラクトの一般的な使用にはいくつかの障害がある、とRücker氏は指摘する。

  • 互いに信頼していない、他の関係者が必要となる。単独では成り立たない。
  • スマートコントラクトは暗号通貨と合わせることで最もよく機能するが、暗号通貨の適用範囲は限られている。
  • ビジネスプロセスを根本的に変えなければならず、時間を要する。
  • すべての取引が関係者に公開されるため、プライバシの必要な目的には利用できない。

Alexander Samarin氏はコメントで、Rücker氏の説明するプロセスはもっと単純化できると主張しているが、Rücker氏はこれに異議を唱えている。

InfoQで公開されたプレゼンテーションで、Laurence Kirk氏は、Rücker氏が自身の記事で参照したブロックチェーンとEthereumによるフレームワークを紹介している。別のプレゼンテーションでは、Christopher Gilbert氏が、ブロックチェーンとスマートコントラクトの関係について論じている。

2017年12月にRücker氏は、“Events, Flows and Long-Running Services: A Modern Approach to Workflow Automation”と題した記事をInfoQで執筆している。

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