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Bank of Ameriaのブロックチェーンデータストレージ特許が公開

原文(投稿日:2018/04/28)へのリンク

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米国特許商標庁(USPTO)は4月12日、個人と企業のデータ共有を可能にするパーミッション型ブロックチェーン実装計画の概略を示した、Bank of Americaの特許出願を発表した。ユーザは自身のデータに対して、アクセスする必要のある特定のレコードにのみ、セキュアにアクセスする許可をサービスプロバイダにを与える。例えばヘルスケアのプロバイダは、関連する医療情報にのみアクセスすることができる。

この特許が解決しようとしている課題のひとつは、現行のデータ共有モデルがデータのコピーを生成して、サービスプロバイダ間で保管している点である。このようなデータ交換は通常、Eメールの添付ファイルや、サービスプロバイダのWebサイトにドキュメントをアップロードする場合に発生する。データが送信されてしまえば、普遍的に適用可能なガバナンスやセキュリティというものは存在しなくなる。出願では、このアプローチにある次のような欠点を指摘している。

このような電子記録を共有する方法には、いくつものデメリットがあります。まずこの方法では、個人ないしエンティティにおいて、レコードおよびサービスプロバイダごとに記録の送信プロセスを繰り返す必要があるため、トランザクションに関わるコンピュータシステム内に非効率性が生じます。次に、レコードを送信する従来型の方法は、レコード認証に関する組込みメカニズムを通常は持っていないことから、データ棄損の影響を受けやすくなります。そして最後に、従来の方法は、不正な集団による攻撃を受けやすいのです。

提案されたソリューションでは、プライベートブロックチェーンを活用して次のことを行う。

計算ノード間のトランザクションワークフローの制御、ワークフロー内のトランザクションの自動認証機能の提供、アップストリームおよびダウンストリームアプリケーション内の仮想元帳での効率的な記録保持機能の提供。

Bank of Americaはこのソリューションが、データの非同期化を回避して、複数のコンピュータノード間に必要なアクセス幅を低減することによって、データ処理の効率を改善を実現し、結果として必要な処理能力、メモリ、ストレージ、キャッシュ、ネットワーク帯域幅、I/Oコール、電力が削減できるものと期待している。

出願によると、このソリューションは、サービスプロバイダから要求される情報にアクセスするための、汎用的なドキュメント保管ソリューションという位置付けである。ドキュメントはブロックチェーン上に存在し、プレーンテキストやPDF、ワードプロセッサ形式、HTMLなど、さまざまなフォーマットを取ることが可能だ。

Bank of Americaでは、プライベートブロックチェーン実装を通じてドキュメントへのアクセスを提供するこの方法により、次のようなメリットがあると考えている。

  • 関連レコードの格納にブロックチェーンを用いることにより、個人ないしエンティティが所有するコンピュータサーバとサービスプロバイダの間で必要な、相互方向のクエリ数の削減が可能になり、結果として処理効率が向上する。
  • 関連レコードをブロックチェーン上に置くことで、サービスの受信に関する全レコードの履歴(すべての病歴など)を格納するための、信頼性と便宜性の高い手段の提供が可能になる。
  • (サーバの不安定性やユーザエラー等に起因する)レコードの損失によって記録履歴にギャップを生じる可能性のある従来の方法に比較して、信頼性が向上する

この特許は2016年に出願されたものだが、今回の発表は、FacebookがCambridge Analyticaのデータ問題に関連して米国議会に召喚されたこと、近く発効するEUの一般データ保護規則(GDPR)が企業に対して、個人データのエクスポートや削除を含むデータ主体要求(DSR)のサポートを求めていること、などに合わせたものだ。
 

 
 

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