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2018年5月にフロリダ州オーランドで開催されたGartner IT Operations Strategies and Solutions Summitで、OpsRampは、ハイブリッド環境用の新たなソリューションとして、Unified Service Discoveryと48-hour IT Asset Visibility Challengeを発表した。
OpsRampのUnified Service Discoveryサービスは、シャドーITやクラウドネイティブサービス、忘れられたアプリケーションまで、クラウドからデータセンタに至るハイブリッド環境に対するテクノロジチームの理解を支援する。このサービスを利用することで、手作業や高価なプロフェッショナルサービスに対するニーズの低減が可能になる。
Unified Service Discoveryの発表と合わせて、OpsRampは、IT資産やクラウドリソースの経時的な変化を理解することによって、ワークロードのホスト先に関する洞察を提供する、48-hour IT Asset Visibility Challengeを発表した。
新ソリューションのUnified Service Discoveryには、ライブアセットインベントリ、アセットインベントリ解析、サービス依存マップ、マルチクラウド対応の利用度可視化といった機能が含まれている。同社エンジニアリング担当副社長のBharu Singh氏に、今回の発表についていくつか質問した。
InfoQ: Unified Service Discoveryの機能について詳しく説明してください。
Bhanu Singh: Unified Service Discoveryを使えば、特定のデバイスやクラウドサービス、特定のIPレンジにあるITアセット、さらには複数のデバイスやワークロードを一度にまとめてグループ化することが可能になります。当社が提供するのは、データセンタ用のエージェントおよびエージェントレステクノロジと、クラウドネイティブなサービス用のAPIインテグレーションとの併用による、ハイブリッド環境のすべてを対象としたディスカバリ機能です。データセンタ内のワークロードに対しては、Discovery Profileを使用して、ディスカバリ対象とするデバイス範囲を指定することで、管理の必要なデバイスを選択することができます。
複数のDiscovery Profileを作成して、異なるデバイスセットを定義することも可能です。クラウドネイティブ用のディスカバリでは、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platform用のDiscovery Profileを使って、クラウドサービスをデバイスグループとサービスグループに自動的に割り当てることにより、クラウドインフラストラクチャを論理的にオーガナイズすることができます。デバイスが検出されると、オンボードポリシに従って、新たに検出されたITアセットが特定のデバイスグループに編入されます。ネットワークデバイス(例えばロードバランサ)が検出されれば、そのロードバランサをネットワークデバイスグループに自動的にアサインすることができるのです。
InfoQ: ビジネス部門が独自に導入したクラウドソリューションや、開発チームが立ち上げたJiraソリューションといったものは、どのように特定できるのでしょうか?
Singh: 当社のサービスでは、AWSやAzure、Googleといった大手クラウドプロバイダを含む、広い範囲のマルチクラウドサービスを対象としたディスカバリが可能です。クラウドディスカバリを行うには、アクセスのための資格情報セットの提供、ポリシの定義、クラウドディスカバリのための検索スケジュールの設定が必要です。ローカルなJiraインストレーションは、開発チームが使用しているリソースを対象としたオンプレミスディスカバリの一部として識別されることになります。エンタープライズマルチクラウドアカウント用の適切な資格情報があれば、ビジネス部門や開発チームが立ち上げた新たなクラウドワークロードの検出も可能です。当社のサービスは、マルチクラウドに対応したエグゼプティブダッシュボードを通じて、御社のクラウド利用状況の完全な透過性を提供します。
InfoQ: 開発チームが毎日、いくつもの環境をAWS/Azure/GCP内でスピンアップしたり、ダウンした場合はどうなりますか?
Singh: Unified Service Discoveryには、マルチクラウドサービスを対象として、サービスの依頼や廃止に伴って継続的・増分的なディスカバリを実行する機能があります。環境のプロビジョンが解除されてしばらくたつと、OpsRampがクラウドアセットを記録する拡張システムとして機能します。この機能は監査目的において重要なのですが、クラウドベンダ(AWS、Azure、Google)がまったく提供していないものです。1日単位で起動や停止を行う一時的なワークロードを多数抱えている場合は、クラウド環境の変化速度に基づいたスケジュールを作成することで、そのようなワークロードを継続的に追跡することができます。
InfoQ: 収集されたデータはどのように表示され、どのような洞察を促すのでしょうか?
Singh: 新旧のワークロード、ビジネスユニット、論理サイト、ビジネスサービスによるインフラストラクチャの状況をITチームが理解するために、ダッシュボードとレポートを用意しています。当社のダッシュボードは、未使用、過剰使用、あるいはその中間のITアセットの追跡を支援します。
InfoQ: 複数の開発チームが必要とするサービスを、OpsRampはどの程度インテリジェントに予測できるのでしょう?この種のツールを使うことで、IT運用チームと開発チームはどのように連携できるのでしょうか?
Singh: Unified Service Discoveryを使えば、開発チームとIT運用チームはさまざまな分野で協力することができるようになります。例えばキャパシティの管理です。Unified Service DiscoveryがITアセットの供給と、ビジネスによって発生する需要との調整を行います。
開発者が新たにサービスを構築する場合、特定のアプリやサービスがインフラ整備の面でどの程度のコストを要するか事前に分かっていると理想的です。Unified Service Discoveryを使用すれば、IT運用スタッフがそのコンテキストのITダッシュボードを共有して、開発するサービスのワークロードやアセットの使用状況を視覚化することができます。この状況認識によって、開発者は、重要なサービスが停止した場合、自らのITサービスやアプリケーションを基盤としてサポートするインフラストラクチャワークロードの状況を瞬時に把握することが可能です。サービスとインフラストラクチャの関係を視覚化するサービスマップは、ビジネスサービスを論理エンティティとして管理する上で有効です。ビジュアルワークフローを使ってアプリケーションの相互依存性を分析することにより、障害に対するトラブルシュートも短時間で行うことができるようになります。
InfoQ: どのインフラストラクチャがどのアプリケーションに適用されているのかを、どうやって知るのですか?
Singh: ITチームは、データセンタやクラウド全体のITアセットが、どのようなグループとして関連して、ビジネスサービスを提供しているのかを明確に把握する必要があります。サービスマップは、サービスをサポートするさまざまなインフラストラクチャコンポーネントの相互依存関係に基づいて、サービスをグラフィカルに表現したものです。サービスマップの生成には、動的な拡張および縮小が可能なハイブリッドアプリケーションを可能にする、フレキシブルなルールベースのポリシが使用されます。ポリシを定義することで、新たなITアセットのプロビジョニングや廃止に対応して、サービスマップを動的に生成することが可能になります。
InfoQ: 技術的な情報は、どの程度まで詳細に提供されるのでしょう?
Singh: ワークロードに関するDiscoveryのレポートには、アセットの情報として説明(Desciption)、デバイス名、デバイスタイプ、ドメイン、ドメインロール、リモートアクセスコントローラIP、ファームウェアバージョン、ハードウェアバージョン、インターフェイスIPアドレス、インターフェイスMACアドレス、インターフェイス名、インターフェイス速度、IPアドレス、最後に検出された時間、MACアドレス、メイク(Make)、モデル、オペレーティングシステム、物理メモリ、プロセッサ、プロセッサ名、プロダクトキー、シリアル番号が表示されます。パブリッククラウドプロバイダ用のDiscovery Profile APIには、詳細情報としてインスタンス(トータル、マネージド、アンマネージド)、リソース(コンピューティング、ストレージ、ネットワーク、プラットフォームサービス、アプリケーション、データベース)、クラウド支出分析(期間、時間と日数、サービス別、リージョン別)、クラウド利用率分析(未使用ボリューム、未使用エラスティックIP)が表示されます。
InfoQ: 環境プロビジョニングやデプロイメントパイプラインのツールとは、どのように統合されるのでしょうか?
Singh: OpsRampは、Restful APIを公開している標準的なツールのほとんどに対応可能な、オープンなRestful API統合をサポートしています。顧客やパートナが独自のインテグレーションを構築するための、カスタムインテグレーションフレームワークも用意しています。カスタムインテグレーションは、JenkinsやChef、Puppet、Saltstackといった環境プロビジョニングツールやデプロイメントパイプラインツールを対象として構築することができます。Jenkinsとの統合は標準で用意されています。
InfoQ: サービスディスク機能は統合されているのでしょうか?もしそうならば、チケットをユーザストーリにする必要がある場合、Jiraなどにあるバックログとのリンクは可能ですか?
Singh: OpsRampのサービス管理機能は、合理的なサービスデリバリの合理化と、優れたビジネスサポートを支援します。例えば、チケットやインシデント、問題、変更要求を適切に作成してイシューと対策を管理したり、あるいはサービス管理と運用管理を結び付けて、ワンクリックで警告からチケットを発行するようなことが可能です。OpsRampでは、サポートエンジニアに割り当てられたロールベースのアクセスによって、組織全体のサービス要求のキューをすべて表示することができます。さらには、ストアアンドフォワードモデルを採用してSeviceNowやBMC Remedy、Cherwellといった最高のサービス管理ツールとの統合を可能にするとともに、その他のサードパーティ製ディスクソリューションと統合するためのオープンなAPIも用意しています。
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