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Microsoftは、ソフトウェア開発プラットフォームであり、バージョン管理にGitを使用したWebベースのホスティングサービスであるGitHubの買収で合意したことを発表した。契約は年内に締結される予定で、両社は共に、GitHubは今後もオープンなプラットフォームとして存続し、あらゆるツールの使用とあらゆるプラットフォームへのデプロイのサポートを約束すると述べている。
MicrosoftのCEOであるSatya Nadella氏は今回の買収について、“開発者は世界のコードを記述する[ディジタルテクノロジ]時代の構築者であり、GitHubはその本拠地である”、と同社の公式ブログに記している。GitHubにはすでに280万を越える開発者が協力しており、世界中の人々が使用する8,500万以上のコードリポジトリの拠点になっている。多数のオープンソースプロジェクトがGitHubにコードをホストし、プロジェクトのロードマップ計画にプラットフォームを使用し、イシューを管理し、イシュートラッキングとコード駆動型のディスカッションの両方を通じて協力している。
Nadella氏は、“GitHubが今後もオープンなプラットフォームとして、開発者がプラグインや拡張可能であり続ける”ことを明確にした上で、開発者が今後も任意のプログラミング言語やツール、オペレーティングシステムを使用して、自身のコードを“任意のクラウドやデバイス”にデプロイ可能にするためのビジョンについて論じている。
当社はGitHubコミュニティの世話役(steward)として開発者ファーストの精神を維持し、独立的な運用を行なうオープンなプラットフォームであり続けることを約束します。
GitHubのCEOで設立者のひとりであるChris Wanstrath氏も、GitHub Blogに“A bright future for GitHub”に題した記事を公開し、MicrosoftとGitHubがビジョンを共有していることを述べている。Microsoftのオープンソースに関する取り組みは、GitHubチームに影響を与えている。Microsoftはgitそれ自体においても、GitHubにホストされているオープンソースプロジェクトでも高い評価を得ているコミッタである。昨年のQCon Londonでは、Visual Studio Team ServiceのプロダクトオーナであるSam Guckenheimer氏が、MicrosoftがWindowsのコードベースをSource Depotからgitに移行した際、リポジトリやファイルのサイズに関する固有の問題を克服するプロセスにおいて、同社がGit Virtual File System (GVFS)を開発し、それをオープンソースとしてリリースした経緯について説明している。
Nadella氏はまた、自身のブログ記事の中で、ソフトウェア産業全体にわたるコラボレーションの重要性も認めている。
"[...] the real power comes when every developer can create together, collaborate, “[...] 本当のパワーは、すべての開発者が共同開発を行ない、コラボレートして、コードの共有と他者の開発を活用したソフトウェア構築を行うことで実現します。私たちは人生のあらゆる場面において、コミュニティの力を実感します。ソフトウェア開発や開発者にとってもそれは真実なのです。”
今回の買収についてはTwitterでもRedditでも既に議論百出であり、業界の著名人の間でも意見が明確に分かれている。Ruby on Railsフレームワークを開発したDavid Heinemeier Hansson氏は、買収を拒絶する側に組みする立場から、これは“GitHubの独立性の悲劇的終焉”だ、とツイートしている。他の意見はより肯定的で、“Building Microservices”の著者であるSam Newman氏は、多くの人々が“今日のMicrosoftをよく知らない”点を指摘した上で、“同社のように一貫して開発者のために努力している大企業は数少ない”、と述べている。
買収は年内に完了する予定で、その後のGitHubは、オープンソースのベテランで、クロスプラットフォームのモバイル開発テクノロジXamarinの創設者であるNat Friedman氏が、MicrosoftのCloud + AIグループ担当副社長のScott Guthrie氏の配下で運営することになる。GitHubのCEOで設立者のひとりであるChris Wanstrathも同じくGuthire氏の下で、テクニカルフェローとしてMicrosoftに参加する予定である。
買収に関する詳細は、MicrosoftのWebサイトで公開中の公開プレゼンテーションの中で説明されている。
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