Eclipse FoundationがEclipse IDEの最新バージョンを発表した。Eclipse Photonには、Java 10とJava EE 8のサポート、PDT (PHP development tools) の改善、Dark Theme UI改善などが含まれている。
Eclipse JDT (Java Development Tools) はJava 10を完全にサポートする。許される場所でのvar
コード補完の提案や、型からvar
に変換するQuick Assistなど、開発者はJEP 286 (local variable type inference)を使えるようになる。
module-info.java
を作成することで、モジュール化されていないJavaプロジェクトをモジュールに変換する機能も追加された。開発者は、module-info.javaを表すコードをソースフォルダに直接貼り付けて、module-info.javaファイルを作ることにより、モジュールを作成することもできる。これは次のコードをコピー&ペーストすることで試せる。
import java.sql.Driver;
module hello {
exports org.example;
requires java.sql;
provides Driver with org.example.DriverImpl;
}
Java Editorはいくつかの点で改善された。Dark Theme使用時のJava構文のカラーリングは、ボールドスタイルの使用を減らし、他と近すぎる色を変更することで改善された。また、文字列リテラルへのペースト時、非ASCII文字をエスケープできるようになった。これを有効にするには、Java > Editor > Typing > Escape text when pasting into a string literalをクリックし、Use Unicode escape syntax for non-ASCII charactersをチェックする。 以下に、文字列へのペースト時にUnicodeエスケープシーケンスで置き換えられた例を示す。
Package Explorerで、ライブラリをアルファベット順にソートできるようになった。これを有効にするには、PreferencesのJava > Appearanceを開いて、Sort library entries alphabetically in Package Explorerをチェックする。すると、ライブラリは次のように表示される。
Java Compilerには、"Compiler Compliance does not match used JRE"という新しい設定が含まれている。これは、プロジェクトが選択されたコンパイラ準拠レベルと一致しないJREを使用している場合(例えば、JRE System LibraryとしてJRE 1.8を使っているプロジェクトで、コンパイラ準拠が1.7にセットされている場合)に報告される問題の重大度を示すものだ。さらに、テストソースでJavaアノテーションを実行するための新しいサポートが追加され、モジュール宣言の検索時に正規表現の使用を可能にする実験的機能が追加された。
Java FormatterのProfile設定はシンプルになり、複数タブではなく展開可能なツリーに全て表示されるようになる。これを見るためには、Java > Code Style > Formatter > Editを開く。Comments > Javadocに"align Javadoc tags in columns"というオプションがある。
Align descriptions, grouped by typeの使用例を以下に示す。
以下のような一連の新機能により、デバッグの生産性が改善されている。
- 高度なソースルックアップにより、ランタイムクラスパスが事前に不明な場合に適切にソースルックアップ可能になる。
- Launch configuration prototype
- デバッガはスレッド名の変更をリッスンする。これにより、JavaデバッガはJVMに新しいブレークポイントを追加し、ブレークポイントヒット時、Debugビューに通知する。
- method exitならびにexceptionブレークポイントの値表示。Step Into、Step Over、Step Returnで観測される最後のメソッド結果(returnやthrowによる)がVariablesビューの最初の行に表示される。
- breakpointsビューに、時間でソートするための新しいsort byオプションが追加された。
PHP開発ツールには、未使用/未割り当て変数の検証サポート、break/continueにおけるスカラーの検証、PHP 7以上における静的操作の検証といった機能強化が含まれている。加えて、PHP ExplorerはProject Explorerに置き換えられた。完全なリストは、Eclipse Photon New and NoteworthyページのPHPセクションにある。
Eclipse Foundationによると、このリリースには7300万超のコード行を含む85のプロジェクトが含まれ、620名の開発者がコントリビューションし、そのうち246名がEclipseコミッターだという。Eclipse Photonの詳細はについて、Eclipse Photon New and Noteworthyのページにある。Eclipse Photonはダウンロードページからダウンロードできる。
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