新たな出会いは、あなたの新しい一面を引き出してくれる。プロジェクト外部からの視点を得て、新たな見方をするためにはよい方法だ。まったく違う分野で働く人々との会話は、会社を変えるアイデアを閃かせる可能性がある — プロフェッショナルによるネットワークのためのフリーアプリであるShaprのLudovic Huraux氏はこう主張する。氏が提案するのは、価値観や関心事を同じくする人々に会うことに重点を置いて、ネットワークを日々の習慣に組み込むことだ。
Shaprの創業者でCEOのLudovic Huraux氏は、Spark the Change France 2018で、セレンデピティ(serendipity)とネットワーキング(networking)について講演する予定だ。カンファレンスはパリで、6月26日に開催される。
このカンファレンスでは、すでに前向きの変化を経験した世界中の人たちが経験を語ります。彼らの学びを共有できることを切に願っています。カンファレンスの後には、現在のトランスフォーマやディスラプタによる実践的なワークセッションが開催されます。
InfoQではこのイベントについて、記事やサマリ、Q&Aでお伝えする予定である。
InfoQは今回、新たなサービスやプロダクトのローンチに際していかにネットワーキングが有用か、Shaprアプリがプロフェッショナルのネットワーキングをどのようにサポートするのか、ネットワーキングに関する文化的な違い、などについて、Huraux氏にインタビューした。
InfoQ: ビジネスを運用する上で、新たな人との出会いが重要なのはなぜでしょう?
Ludovic Huraux: 初めて会社を設立した時、私は駆け出しアントレプレナでしたので、ビジネスの発展はネットワークが頼りでした。才能のある人たちを雇うのも、投資家に会うのも、すべてが友人を通じてだったのです。新しいプロトタイプのテストや。新しいサービスのアイデアを交換するために、ネットワークの力も借りました。そのネットワークのひとりから紹介された人物が、私を初めてテレビ広告の世界に案内してくれました。これは、その年の当社のマーケティング戦略において、最も重要な部分になりました。ビジネスオーナにとってネットワークは、成長と成功のための最も重要なツールです。新しい人に会うことを、何よりも優先すべきです。新しい人たちに会うことで、あなた自身の悩みからも解放されます。たくさんのプロフェッショナルが、あなたと同じような懸念や課題を抱えていることが分かるからです。
InfoQ: その懸念や課題とはどのようなもので、それらに対処する上でネットワークがどのように役立つのか、例をあげて頂けますか?
Huraux: そうですね — 例えば、製品のローンチは大きなテーマです。どのようなものにするか、どうやって販売していくのか、社内でたくさんの会話が必要になります。新製品をローンチする場合、ユーザのことを常に考えて、サービスのメリットや使い方を理解してもらわなくてはなりません。新しい人たちと対面してプロジェクトを共有することは、プロジェクトの外部からの視点を得る上でよい方法になると思います。
例えば、私たちが最初にShaprをローンチした時、最初はたくさんダウンロードされたものの、長続きせず、何らかの変更をする必要があると分かりました。そこで、私自身が150人のユーザに会って、アプリに何を求めているのか、何がうまくいっていて、改善すべき場所は何なのかを聞いたのです。この個人的な会話は、何を作るべきかというアイデアを得る上で役立ちました。同時に、ユーザが理解できない部分を取り除いたり、不明瞭な言葉や説明を修正するきっかけにもなったのです。
どんな業界であっても、人々とアイデアを交換するのは素晴らしいことです。まったく違う分野で働いている人との会話は、会社を変えるような、新たなアイデアを閃かせてくれるかも知れません。それが私にとってのセレンデピティ(serendipity、新たな発見に出会う幸運)なのです — 可能な限り多くの人たちと会話することで、セレンデピティの可能性を高めることができます。
InfoQ: Shaprとは何でしょう?
Huraux: Shaprはプロフェッショナルのネットワークのための、完全無料のアプリケーションです。Shaprを使うことで、#techや#marketing、目標、ある程度のバックグラウンドを簡単に共有することができます。Shaprは高度なアルゴリズムを駆使して、あなたの分野から、ネットワークに相応しいプロフェッショナルを紹介します。何人かのプロファイルが毎日紹介されるので、右にスワイプするか、あるいはSkypeやcoffeeで会話してみたい人の“会う(Meet)”をクリックします。スワイプは相手に通知されず、マッチした場合、つまりプロフェッショナル同士がお互いを見ていて、双方が会話の意思を示した場合に通知が行われます。そうなれば、事前に作成されている挨拶文を使うか、自分自身で書けばよいのです!
Shaprには120万人のユーザがいて、メンタやビジネスの共同創設者、クライアント、ビジネスパートナシップなどを探すために役立ちます。ですが、最大の目標は、自分自身の殻を抜け出して、新たな人たちと会話を交わし、定常的な習慣としてネットワークを構築することにあります。適切な人たちとの会話をもっと簡単にすることで、あなたの人生のセレンデピティを高めるのです。
InfoQ: 企業にとって、そのようなネットワークの恩恵が投資に見合うものかを知るには、どうすればよいのでしょうか?
Huraux: ネットワークを投資とは思っていません。関係性を構築することだと思っています。価値観や関心事を共有する人たちとの出会いを一義的に考えるべきです。まずは与えることで関係性を築いてください。リターンを期待せずに支援するのです。プロフェッショナル同士の意味のある関係性が最高のアドバイザに転じたり、あるいはあなたを支援してくれる人たちが、ここ一番で重要なコネクションになるかも知れません。ですが、それらは事前に判断するものではありません。最も重要な判断材料は、毎週新しい人と楽しむコーヒーの数、あるいは関係性を育てる目的でたどり着いた最近のコネクションの数です。
InfoQ: ネットワークにおける文化的な違いについてはどうでしょう — どのような違いがあって、どう対処すればよいのでしょうか?
Huraux: 確かに、米国の人たちはネットワークの考え方について、多少オープンな部分があると思います。特にニューヨークでは、ネットワークがすでに価値観の一部になっているので、Shaprに参加してプロフェッショナルを見つけるという行為に、あまり説得力はありません。ですが私は、ここ数年のパリでの変化を見てきました。人々にとって、新しい人とコーヒーで会うという考え方が、より気軽なものになり始めていると思います!そのような価値観を得る上で、Shaprが役に立てればと思っています :):)
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