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ROS (Robot Operating System) がWindowsに登場

原文(投稿日:2018/10/03)へのリンク

ロボット開発のためのメタオペレーティングシステム、ROS(Robot Operating System)がWindows 10で利用可能になった。Microsoftの最初の実験ビルドはROS1と名付けられ、Visual Studioと統合され、Core ROSおよび他の複数のモジュールの完全なポートを含んでいる。Microsoftによると、ROS on Windowsは今後も進化し、GPUベースの機械学習とAzure IoT Hubとのフル統合が含まれるという。

その名前にもかかわらず、ROSは実際のオペレーティングシステムではない。むしろ、オペレーティングシステムに似た機能を提供するフレームワークとサービスの集合であり、ロボットハードウェアにより動作するへテロジニアスなコンピュータクラスタ上で動かすものだ。ROSサービスには、ハードウェア抽象化、低レベルデバイス制御、プロセス間メッセージ転送、パッケージ管理が含まれる。

現在利用可能な「ロボットフレームワーク」はROSだけではない。他にも、PlayerYARPOrocosCARMENなどがある。ROSの特徴は、作動センシング(傾斜レーザー、パン/チルトセンサーヘッド、アームに取り付けられたセンサー)を使ったリッチなロボットプラットフォームを中心とする設計と、生来の分散コンピューティング環境を利用するという目標にある。加えて、ROSベースのコードを他のロボティックスプラットフォームで動かしやすくするため、ROSは薄くて、ほぼ言語非依存なレイヤーになることを目指している。ROSにはPythonC++Lispの実装があり、JavaとLuaを実験的にサポートしている。

ROSの第一の目標は、ロボティックス研究および開発におけるコードの再利用をサポートすることです。ROSはプロセス(Nodeと呼ばれる)の分散フレームワークであり、独立に設計されて実行時に疎結合される実行形式を可能にします。プロセスはPackagesとStacksにグループ化することができ、簡単に共有、分散できます。

スペインのマドリードで開催されたROSCon 2018において、Microsoftは、Windows 10 IoT Enterprise上でROS Melodic Moreniaを動しているROBOTIS Turtlebot 3というロボットのデモを見せた。さらに、AzureベースのROSシミュレーション環境を紹介し、オーケストレーションシステムに接続されてAzure IoT Hub経由でコントロールされる仮想ロボット群のデモを見せた。

ROS1は、64-bit Windows 10 DesktopもしくはWindows 10 IoT Enterprise editionを必要とし、Windows 10 IoT Coreではまだ使えない。当面、ROS1はバイナリパッケージを使ってインストールできる。ビルドプロセスは思うほど簡単ではなく多くのステップを必要とするが、Microsoftはそれについて詳細に説明しているVisual Studio Codeとの統合もプラグインで可能だ

ROS for Windowsは、ロボティックスへのMicrosoft初の取り組みではない。実際、2006年のMicrosoft Robotics Developer Studioに続き、2007年にはBill Gates氏がすべての家庭にロボットをというビジョンを打ち立てた。Steven Crowe氏がRobot Reportに書いているように、残念ながら、プロジェクトはまったく盛り上がらず、2012年に中止になった。

すでにMicrosoftは、ROS Windowsポートの次バージョン、ROS2に取り組んでいることを発表しているが、何が登場するのかは明らかにされていない。プロジェクトの進行に合わせて、InfoQで引き続きレポートする予定だ。

 
 

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