ウェリントンで開催されたDevOpsDays NZは、エンジニアがDevOpsで活用できるテストスキルと強大な力に関するKatrina Clokie氏のキーノートで幕を閉じた。Clokie氏は『A Practical Guide to Testing in DevOps』の著者であり、ニュージーランド銀行でテストプラクティスマネージャーを務めている。彼女は部門横断の100名からなるテスト支部をリードし、育成している。
Clokie氏は、テスト現場で見てきた変化と、これがDevOps原則を受け入れる動きにどう影響するのかをInfoQに語った。彼女はDevOpsのことを、本番環境の可観測性によるライブ多変量テストとプラットフォーム検証という観点からテストを再構成する「シフトライト」をもたらすものだと説明する。今年初め、InfoQのEngineering Cultureポッドキャストにおいて、MindTreeのChris Manuel氏も「実際の環境で何が起こっているか絶えず監視すること、それを開発プロセスにおける品質に会話を知らせるのに使うこと」の結果として起こる、テストの「右へのシフト」について語っていた。
彼女は最近の本で、DevOpsにより可能になったテストにおけるカルチャーの「シフトライト」について書いている。
従来のプロジェクトでは、開発チームは大規模なリリースの後、本番環境でテストを行い、変更が正常に適応されているという自信を得ます。これは線形プロセスにおける最終チェックであり、重大な問題を除いて、新たな作業が発生することは滅多にありません。DevOpsの世界では、本番環境でのテストは開発チームへの定期的なインプットを生み出す手段です。これはデリバリーサイクルの一部であり、ソフトウェアの今後のイテレーションを形作るフィードバックをもたらします。
彼女は、テスターの開発スキル向上に多くの目が向けられてきたが、開発者を有能なテスターにすることにはほとんど目が向けられていない、と考えを述べている。
InfoQ: 今年初め、あなたはTestWestカンファレンスのキーノートで、DevOpsにおけるテストについて話しました。DevOpsプラクティスの台頭はテストの考え方にどんな影響を与えていますか?
Katrina Clokie: DevOpsがうまく採用されると、テストに関わる人の数は増えますが、彼らがテストするスコープは狭くなるでしょう。プロダクトの品質について広範囲の質問をしなくなり、特定の機能を検証する自動チェックに固執するチームが出てくると思います。テストは自動チェックと同じ意味になっていくかもしれません。
市場へのスピードにはかなり重点が置かれています。多くの組織にとって、これはDevOpsのビジネスドライバーです。迅速なデリバリーに対するトレードオフはしばしば品質になります。この世界の消費者として、私たちは操作するソフトウェアが難しくなること、期待しない動作をすることを、だんだん受け入れるようになっています。もう一度試すことに慣れたり、直感的でないインタフェースの操作方法を学んでいるとき、私たちはこうしたやり方を正当なものだと認めてしまっています。
ユーザーは低レベルの品質を受け入れる習慣が身についているため、組織は自動化と機械中心の検証に頼ることができます。
InfoQ: あなたのDevOpsにおけるテストの個人的な経験は、テスト専門家であるあなた自身の印象にどう影響しましたか?
Clokie: DevOpsは多くの新しい方法を取り入れて、リスクを軽減しています。この変化する状況において、テストは大きな影響を受けるはずです。テスターにとって最大の課題は、組織が様々な方法でリスクを軽減できるようにするのを解放して許すことだと思います。
InfoQ: DevOpsDays NZのキーノートは「Testing in DevOps for Engineers」というタイトルでした。DevOpsカルチャーへの動きは、エンジニアのテスト責任にどんな影響を与えていると思いますか?
Clokie: 健全なDevOpsカルチャーでは、テストは全エンジニアの役割の一部になると思います。
InfoQ: あなたが一緒に仕事をしているエンジニアから、この変化に対してどんな反応がありますか?
Clokie: どんな変化でもそうですが、まちまちです。受け入れる人もいれば、それほどではない人もいます。
InfoQ: これら2つの帽子は、T型/Π型/櫛型開発者の強みの違いとして見るのが自然になると思いますか?
Clokie: 理想的な世界では、そうですね。でも実際には、そうは思いません。私たちは一本足になっています。
テストはITを支える役割を果たしています。チームの権力は通常、コードを調べるテスターよりも、コードを生み出す開発者にあります。開発者が手を出すほどの強い関心やインセンティブがあるとは思いません。開発者からテストへ移行することなく、テストにおいて開発スキルを高める価値が増していると思います。
InfoQ: DevOpsにおけるテストと、この10年見てきたテストにおける「シフトレフト」をどう対比しますか?
Clokie: 私にとって、DevOpsは「シフトライト」です。私たちは本番環境でソフトウェアをサポートする運用チームと密なコラボレーションを始めており、こうした新しい関係をデリバリーチームに提供する機会を探っています。たとえば、テストとしての監視、A/Bテストなどです。
InfoQ: 「Testing in DevOps」について本を書くことは、どこから思いついたのですか?
Clokie: 私たちは自分たちの組織でDevOps変革に着手しており、テスターたちをかなりナーバスにさせていました。私はちょうど、チームに手渡して「これ、読んでみて」と言えるものを求めていたのです。
InfoQ: 本に追加したかった新しい戦略や学習はありますか?
Clokie: Cindy Sridharan氏とCharity Majors氏の二人は、可観測性に関する優れたコンテンツを作っています。もし今、本を書いているとしたら、それらを引用していると思います。
InfoQ: 広く行き渡っている、テストを独立したアクティビティとして定義し続ける考えをどう思いますか?
Clokie: 時代遅れです。テストは共同作業であり、共有の責任です。
11月5日から6日までニュージーランドのウェリントンで開催されたDevOpsDays NZで、Clokie氏はキーノートを行った。彼女のDevOpsにおけるテストに関する本は Software Testing Magazineに高く評価され、発行初年度に約6,000部を売り上げた。
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