"2019 State of Testing"調査は,テスト専門職の発展に関する洞察の提供を目的とする調査である。2019年はこの調査が始まって6年目になる。
State of Testing™は、テストコミュニティが直面する現在の状況やプラクティス,課題をといったものを特定し、明確化して,改善に向けた実りある議論を提起するものです。
今回の調査は2019年2月に実施された。調査を指揮したのは,PractiTestのJoel Montvelisky氏とTea-Time with TestersのLalit Bhamare氏だ。
2019 State of Testingレポートで注目すべき点は以下のものだ。
- テスト専門職は進化を続けており,これまでは専門分野から程遠いと思われてたタスクや領域にまで幅を広げている。
- 一方で,テスタおよびその作業と,開発チームとの関連性は高く,開発作業の一貫としてテストが取り入れられている。
- テスタの専門化という新たな流れは依然として強く,経験豊富なテスタが非常に長く職に留まり,実りあるキャリアを構築する例が見られる。
- テスタの役割は品質調査に留まらず,他の"非テスタ"たちを教育することによって,品質に関する意識を啓蒙し,促進する役へと進化している。
今年の調査について、両氏に話を聞いた。
InfoQ: 今回の調査は6回目になりますが,その間,テストに関するトレンドの主流はどのようなものでしたか?
Lalit Bhamare アジャイルの採用は明確に見えていますが,それよりも興味深く思っているのは,これまでに知られていない,明らかなトレンドの存在を確認することです。例えば,テスタは従来の役割を越えてリーダシップやマネジメントの立場へと進出し,チーム内のみならず企業全体の品質意識に影響を与え,チームのテスト活動全体に効率的に貢献し,テストのサポートやソフトウェア自体の構造のテスト容易化に貢献するようになっています。
確実に言えるのは,テストの重要性が"チェック"という側面を越えて広がっているということです。
Joel Montvelisky: ここで興味深い疑問は,私たちが目にしていない(多くの人たちがそれを期待していたとしても)トレンドとは何か,ということです。
アジャイルの採用がトレンドであることは明白ですが,その一方で,アジャイルと並行する形でウォーターフォールプロジェクトを運用している組織も少なからずあって,その数も安定しているのです。これはおそらく,長年にわたって市場に留まり続けているプロダクトの存在や,進行中の大規模プロジェクトの途中での変更を人々が望んでいないことが原因だと思います。
また,新しいテスタの数が増え続けていることも分かっています。このことは,5年後や10年後もまだテストを続けているのだろうか,と自問する人たちにとっては,奇妙に思われるかも知れません。
InfoQ: 2019年の調査で目新しい部分は何でしょうか?
Montvelisky: 私たちは毎年,尊敬すべきテストのプロフェッショナルたちを集めて,レビュー委員会として質問のレビューに協力してもらっています。今年は素晴らしい人たちによるチームが私たちを助けてくれて,テストのトレンドに関するいくつかの新たな質問と,私たちの質問に回答するための面白い選択肢を提案してくれました。
ですが,私の経験から言えば,新たな発見はいつも回答の側から得られます。この調査で最も重要な点は,方法論の採用やさまざまなテクノロジの使用,あるいはテスタに影響する課題,といったように,同じような質問から得られる回答を分析して,私たちの業界に影響を与えるトレンドを見出すことにあります。
個人的には,テスト作業がテスタ以外の人たちとどのように分担されているのか,今日の作業の一部として人々が感じているのはどのような課題なのか,といったことを確認したり,過去の回答と比較したりすることに強い関心を持っています。
Bhamare: 新たな発見があるのは,以前から繰り返してきた質問に対して,興味深い,洞察に満ちた回答があった時です。私たちに協力してくれたレビュー委員会は確かに,私たちには明らかに欠けていた,基本的な質問に対する興味深い動作を与えてくれましたが,それでも私は,ひとつの回答も落とすことなく受け取り,その結果を回答者に返したいと思うのです。:)
読者も2019 State of Testing調査に参加が可能である。調査に回答すれば,State of Testing 2019レポートの無償コピーを公開時に受け取ることができる。