InfoQは先頃、GitKrakenの開発者であるHamid Shojaee氏にインタビューする機会を得て、Git操作用GUIの開発について詳しく聞くことができた。
InfoQ: Gitは従来、コマンドラインを強く愛する人たちだけのツールでした。あなたとあなたのチームが、GitKrakenを最初に開発した理由は何だったのでしょうか?
Hamid Shojaee: まさにそれです!Gitがこれまで、コマンドラインで使用されるツールだったのは、優れたグラフィカルクライアントの開発に時間を掛ける人がいなかったからです。すべての開発者がコマンドラインを好きな訳ではありません。あるいは、たとえ好きであっても、最終的には、可能な限り生産性を高めたいと考えているはずです。
私たちはgit CLIを使っていて、新たに参加した開発者に事情を説明するために、非常に時間が掛かっていることに気付きました。とんでもない間違いをする可能性も非常に高いですし、リポジトリのヒストリを確認して、プロジェクトで何が起きているかを見ることを避ける傾向も高いのです。私たちは、こういった重要な問題を解決したいと思いました。
InfoQ: GitKrakenの開発中に分かったことで、最も大きな驚きは何でしたか?
Shojaee: 一番驚いたことは、まったく驚きではありませんでした。開発者の中には、変化に対して強く抵抗する人たちがいます。開発者がCLIに非常に慣れていると、どんなツールでも、よく調べもせずに、"本当の開発者"には不要なものだ、と言って見過ごすことが非常に多いのです。とてもマッチョ的(macho-like)な態度ですね。
もちろん、ほとんどの開発者はもっと現実的です。彼らの見解は、"生産性を向上できるツールがあるのなら、ぜひ使ってみたい"、というものです。そういった開発者には、100パーセント、納得してもらえます!
GitKrakenは現在、100万人以上のユーザを抱えていますが、非常に細分化された開発者コミュニティの中で、これは相当な成果です。GitKrakenがこれ程の支持を集める上で、大きな転機となったのは何だと思いますか?
水門を一気に開放するような、ひとつの出来事やトリガがあったとは、私は考えていません。GitKrakenは、リリースごとに改善され続けています(平均すると毎月1回以上、リリースしています)。それによって、ますます多くの人たちが、感銘を受けているのです。そうなると、彼らのチームメイトは、自分たちが好機を逸していると感じるようになり、ますます広がります。このように着実で、指数関数的な成長曲線を描いてきました。素晴らしいことだと思います。
ユーザ数は先日、ついに140万人を越えました!
InfoQ: Gitの持つ大きな問題点の中で、GitKrakenによって簡単になったと思うものは何ですか?
Shojaee: GitKrakenを初めて開いて、リポジトリを指定した時、誰もが最初に気付くのは、美しいコミットグラフです。これは、コマンドラインでは見ることのできないもので、すべてのブランチ、すべてのマージ、すべてのコミットが美しくレイアウトされています。コミットをクリックすると、変更されたファイルの詳細を確認することができますし、ファイルをクリックすれば、前後の差分を即座に確認できます。まさに画期的です。
加えて、GitKrakenでは、事実上すべてのgitコマンドを簡単に実行することができます。コミットでも、プル要求のオープンでも、ブランチでも、マージでも、マージの競合がある場合などでも、CLIよりもGitKraken内部でこれらのアクションを実行する方が簡単です。
InfoQ: 今後GitKrakenで実現する機能の中で、特に期待を持っているものはありますか?
Shojaee: あります!私たちは昨年、GitKraken Gloを公開しました。これは、非常にパワフルなかんばんのイシュー/タスクボードを、開発者の手元に届けるものです。Gloのイシューは、GitHubのイシューとリアルタイムで同期することも可能です。見事に単純であると同時に非常に強力であるという、開発者の生産性を高めるために私たちが行っていることの完璧な例です。
将来的には、開発者の生産性をさらに向上するものを期待してください!
Hamitさん、GitKrakenのストーリをInfoQと共有してくれてありがとう。 GitKrakenは、オープンソースソフトウェア開発では無償で使用することができる。商用プロジェクトでは、7日間の無償トライアルが付いて、4ドル/月/ユーザから使用可能だ。