Timescaleは、Azure、GCP、AWS上の時系列データベースのフルマネージドバージョンであるTimescale Cloudの提供を発表した。時系列分析機能、スケールアップ、スケールダウン、GrafanaやTableauなどのツールとの視覚化の統合、データ暗号化を提供する。
TimescaleDBは、時系列データを操作するために最適化されたPostgreSQLのオープンソース拡張である。TimescaleDBの提供企業であるTimescaleは、さまざまなパブリッククラウドプロバイダーでマネージドソリューションが一般に利用可能になったことを発表した。他のほとんどの時系列データベースとは異なり、TimescaleDBはリレーショナルデータベース(PostgreSQL)上に拡張として構築されている。これはハイパーテーブルと呼ばれる抽象化を使用して、時間と空間のような複数の次元にわたってパーティション化を隠している。各ハイパーテーブルは「チャンク」に分割され、各チャンクは特定の時間間隔に対応する。 PostgreSQLは復元、ポイントインタイムリカバリ、レプリケーションをサポートしている。そして、Timescaleを使用して保存された時系列データにも同じことが当てはまる。
Aivenは昨年、GCP、AWS、DigitalOcean上のPostgreSQL拡張としてTimescaleDBのサポートをリリースした。では、このリリースの違いは何か。「AivenはTimescaleDBのオープンソース版をサポートする」一方で、Timescale Cloudは、「補間やデータ保持ポリシーなどのエンタープライズ機能を備えている」とTimescaleDBの共同創設者兼CEOであるAjay Kulkarni氏は述べている。
マネージドソリューションは自動スケーリングしない。ユーザは自分のワークロードに適したハードウェア構成をVMインスタンスとして選択する必要がある。短いダウンタイムで、異なるインスタンスタイプ間での移行が可能である。TimescaleDBの製品管理責任者であるDiana Hsieh氏は、「移行先のタイプに一致する個別のインスタンスを作成し、バックアップを復元してWALログを流し込む。その後、(新しいインスタンスに)リダイレクトする。」と説明している。
時系列データベースの人気と使用の規模が拡大しているため、多くのクラウドプロバイダーはそれらをマネージドソリューションとして提供している。AWSとGCPはどちらもPostgreSQLを管理しているが、どちらもまだTimescaleDBをサポートしていないが、Azureはサポートしている。AWSには、Timestreamという独自のマネージド時系列データベースもある。これはまだプレビューモードである。Timescale Cloudの価格は、クラウドプロバイダと選択したハードウェア構成によって異なる。