今月初め、マイクロソフトはML.NET 1.2を発表し、そのモデルビルダーとCLIを更新した。
ML.NETは、.NETエコシステム向けのオープンソースのクロスプラットフォームの機械学習(ML)フレームワークである。その主な目的は、C#またはF#を使用してカスタムMLモデルを開発できるようにすることである。これには、Visual Studio向けのUIツール(モデルビルダーと呼ばれ、Windowsでのみ使用可能)とコマンドラインインターフェース(CLI)が含まれている。
ML.NETの新しいバージョンには、予測と異常検出のシナリオ向けのTimeSeriesパッケージが含まれている。また、TensorFlowおよびONNXモデル統合機能の一般向け提供も含まれている。これにより、画像分類およびオブジェクト検出を含む機械学習およびディープラーニングモデルの構築が可能になる。
プレビュー機能として、Microsoft.Extensions.MLという新しい統合パッケージもリリースされた。このパッケージの目的は、ML.NETモデルとASP.NETアプリケーション、Azure Functions、Webサービスとの統合を容易にすることである。ML.NETモデルをASP.NET Coreと統合するための使い方の例はこちら。
もう1つの新機能は、ツリーベースの機能の追加である。これは、たとえばオンライン広告のクリック数を予測するなどのシナリオで使用される一般的なデータマイニング手法である。
その他のアップデートとして、ML.NET CLIでのバグ修正がある。そして、.txtファイルのサポート(モデルのトレーニングに使用)やトレーニングデータのサイズ制限の削除(当初は上限1GB)などのモデルビルダーへの小さな追加がある。ML.NET 1.2のリリースノートはこちら。
ML.NETは、Windows、Linux、macOSで利用可能である。モデルビルダーはVisual Studioの拡張機能として使用できるため、WindowsリリースにはVisual Studio 2017 15.9.12以降が必要である。macOSとLinuxの前提条件はないが、これらのプラットフォームでは、ML.NETモデルはCLIを使用して構築されている。ML.NETについての詳細はこちら。