8か月の開発サイクルの終わりに来ているAndroid Studioの最新リリースであるProject Marbleは、新しい主要機能の追加を控え、代わりにパフォーマンスとメモリ効率の改善を選択している。
開発者からのフィードバックに基づいて、Google Android StudioチームはAndroid公式IDEの3つのコア領域、つまりシステムの健全性、機能の洗練、バグに取り組んだ。
システムの健全性の分野では、Android Studio 3.5には、パフォーマンスの問題をより適切に検出し、開発者のフィードバックとバグレポートを分析するプロセスを改善することを目的とした新しいインフラストラクチャが含まれている。これらの変更により、Android Studioはより多くのメモリが必要になるタイミングを検出し、利用可能なシステムでのメモリ割り当てを増やすよう通知することができるようになった。
パフォーマンスの改善について言うと、Android 3.5には、多くの重要な変更がある。例えば、XML形式のデータとKotlinによるタイピング応答性の改善や、Glide、AndroidXデータバインディング、Dagger、Realm、Kotlinなどのアノテーションプロセッサのインクリメンタルビルドのサポートや、Windowsシステムでのディスクアクセスの高速化や、AndroidエミュレーターのCPU使用率の削減や、リンティングの高速化がある。
Android Studio 3.5から、Instantランを削除している。Instantランは、APKを直接変更し、必要に応じてアプリを再起動するか、現在実行中のアクティビティを再起動することによる、編集・ビルド・実行サイクルの高速化を目的としている。代わりに、最新のAndroid Studioバージョンは、Applyチェンジと呼ばれる新機能を提供する。これは、APKを改ざんせず、代わりにOreo以降のAndroidバージョンで利用可能なプラットフォーム固有のAPIを使用して同じ結果に到達する。また、同時に安定性と一貫性を確保する。
最後に注意として、Android Studioは、600を超えるバグ、50のメモリリーク、20のIDEハングを修正し、40を超える外部からのコントリビューションがある。変更の完全なリストについては、リリースノートをお見逃しなく。Android Studio 3.5は、Windows、Mac、Linux向けをダウンロードできる。以前のバージョンは、アプリから更新できる。
Project Marbleは、Android Studioのパフォーマンスと品質を改善するGoogleの努力を終わらせず、次のリリースであるAndroid Studio 3.6においてさらなる洗練と改善が期待されていると、Google Android StudioチームのメンバーであるTor Norbye氏が述べている。