先日のブログ記事で、Microsoftは、Digital Twin定義言語に基づく公開機能モデルを通じたデバイス統合を簡素化する、IoT Plug and Playのプレビューを発表した。デバイスの製造者がこの機能モデルを組み込んだ製品には、Azure Certified for IoT Device Catalogの表示が認められ、Azure IoT HubとAzure IoT Centralの両方との相互運用性が保証される。
Microsoftは、IoTプラットフォームへの新たなデバイスの追加に伴うユーザからのフィードバックとフリクションを目的として、IoT Plug and Playプログラムを立ち上げた。Azure IoTチームのプリンシパルプログラムマネージャであるChris Green氏が、次のように説明している。
私たちは多くの顧客やパートナと協力してきましたが、彼らがソリューションに使用するデバイスが、そのソリューションに対して非常にプロプライエタリな方法で記述されている、という状況をよく目にします。その結果、多くのカスタマイズ作業が必要になるため、これらのデバイスとの統合が非常に困難かつ時間を要するものになっているのです。
"Plug and Play"という用語はMicrosoftにとって新しいものではなく、これまでもキーボードやマウスなどのデバイスを製造する周辺機器メーカの互換性問題に対処するために使用されている。Microsoft IoTチームはこれと同じ概念を採用して、IoTデバイスに適用したのだ。デバイスメーカは、オープンモデリング言語を使用して自身の機能を宣言することができる。この宣言は、正式にはデバイス機能モデル(Device Capability Model、DCM)と呼ばれ、これが存在するデバイスは、一切のコードを記述せずに、Azure IoT Centralおよびパートナソリューションに自動的に接続することができる。
Plug and Play接続は、Azure IoT CentralとIoT Hubで利用することができる。Azure IoT CentralはフルマネージドなIoTソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)で、IoTソリューション開発への参入障壁を低くし、継続的なメンテナンスコストと課題を軽減する。Green氏は、IoT Central Integrationが非常に重要である理由について、次のように説明している。
Azure IoT CentralはIoTソリューションの初期セットアップを簡略化し、一般的なIoTプロジェクトの管理負担、運用コスト、オーバーヘッドを削減します。IoTPlug and PlayとAzure IoT Centralとの統合は、ソリューション開発者が組み込みコードを作成せずにデバイスを統合可能にすることによって、これをさらに一歩進めるものです。IoTソリューションの開発者は、数多いIoTPlug and Play認定デバイスの中からデバイスを選択して、IoTソリューションをエンドツーエンドで迅速に構築し、カスタマイズすることができます。
Plug and Playデバイスを構成するには、Microsoftがホストするデバイスカタログを参照して統合するデバイスを選択し、JSON形式のドキュメントである機能モデルをダウンロードすればよい。デバイス機能モデルがAzure IoT Centralにアップロードされれば、デバイスの構成が完了する。さらにダッシュボードを加えて、視覚化を追加することも可能だ。
イメージ引用: https://azure.microsoft.com/en-us/blog/iot-plug-and-play-is-now-available-in-preview/
Azure IoT Hubソリューションを選択した開発者には、RESTful Deigital Twin APIがIoT Plug and Playデバイス機能を公開することによって、アラームしきい値、コマンドと制御操作、デバイスクエリのサポートなどを設定可能にしている。開発者がこれらのAPIを呼び出すために、Microsoftは、Node.js用のAzure IoT SDKを提供している。その他の言語サポートも近日中に提供される予定だ。
Microsoftのパートナ企業は、Azure Certified for IoTプログラム(新ポータルと送信プロセスを含む)に参加することで、自身のデバイスをデバイスカタログに追加することができる。さらにMicrosoftは、VS Code用のAzure IoT Device Workbench拡張機能(IoT Plug and Playデバイスモデルのオーサリングを簡単にするIntelliSenseを含む)を含む開発者ツールもリリースしている。