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DOES London - Mark Schwartz氏の語る”戦争と平和とIT”

原文(投稿日:2019/07/02)へのリンク

元CIOで因襲打破主義者(iconoclast)を自称するMark Schwartz氏が、先日のDevOps Enterprise Summit Londonで講演した。Schwartz氏は、IT Revolutionの出版した3つの書籍'The Art of Business Value''A Seat at the Table''War & Peace & IT'の著者であり、現在はAmazon Web Servicesでエンタープライズストラテジストの任にある。

InfoQはSchwartz氏と、氏の仕事について話す機会を得ることができた。氏は自身の3冊の著書について、それ自体はシリーズものではなく、組織のアジリティのモデルを構築し続けた結果として、それぞれが次の本に自然につながったのだ、と説明した。

InfoQ: あなたが現在従事している組織が直面する、最大の課題は何ですか?

Mark Schwartz: 文化的変革、組織構造、人材スキル、資金調達モデル、ガバナンス、取り組みの内容、成否判断、目標を見失うリスクの認識、革新の刺激、といったものです。直面する障害はストーリの一部に過ぎません。重要なのは変革のプロセスです。

InfoQ: ITが"ビジネス"の一部と見なされないことが多いのはなぜでしょう?

Schwartz: その歴史、つまり、IT部門が"要件がなければ何もできない"と言い続けたことが、事態を悪化させたのです。和たちたちが人々をそのような考え方に閉じ込めた、そのようなメンタルモデルとニューラルネットワークを作り上げたのです。その当時、成功とは、費用対効果の高い要件を納期通りに提供することでした。現在では、成功とはビジネスバリューを提供することであって、要件自体はもはや重要ではありません。

InfoQ: 古いアプローチはなぜ、リスクとガバナンスの問題を引き起こすのでしょうか?

Schwartz: リスクに関する古い考え方は、綿密に計画して検討する、というものです。事態があまり変わらなければ、これでうまく機能するのですが、私たちを取り巻く状況はそうではありません。私は毎日出勤していますが、いつも何かに驚かされます。政府でも、移民でも、状況は常に変わってきました。技術は常に変化しています。新しいことが可能になれば、ユーザはそれを要求します。リスクの軽減を計画に依存する方法ではうまくいかないのです。

自著"War & Pease & IT"の中でSchwartz氏は、次のように述べている。

リスクは不確実な未来における可能性のネガティブな結果であり、チャンスは不確実な未来における可能性のポジティブな結果です。アジリティとは、不確実な未来がどちらになるのか、あるいは単によい時間を過ごすことになるのかを決定する、組織の特性なのです。

InfoQ: 現実問題として組織は、このような行動をどのように移行させていけばよいのでしょう?

Schwartz: プロジェクトが失敗すると、たいていは外部の人間が参加してきます。その人たちは、違う方法でプロジェクトを実施しよう、もっと定期的にチェックしよう、常にコントロールできるようにすよう、と言うのです。それぞれのチームには、自律的で権限を与えられるのが理想的です。ただしそれは、チームの結果に対する説明責任を持つリーダーシップが存在しない、という意味ではありません。従来の方法では、チームが立てた計画を、監督者が常にチェックしていました。しかし、不確実な世界にいる私たちとしては、目標を設定することでこれを行うことにしました。ビジネスの成果を達成する責任はチームにあります。最終的には、組織は主としてビジネスの成果を追求し、チームは主として迅速かつ定期的な成果を追求して、その成果を確認するようにしたいと思っています。変革を実現するために経営陣と協力し、小さくインクリメンタルな成果の提供を行って、迅速なフィードバックを得られるようにするのです。

InfoQ: 現在注目すべき、新たな管理モデルは何でしょうか?

Schwartz: リーダとしてのあなたには、資本の効果的な投資に関心があり、リスクにも関心があります。判断を事前に行うか、継続的な判断を行うかはあなたの選択です。名前はどうでもよいのです。"この管理モデルに移行します!"と言うのは、大げさで危険なものに聞こえますが、"忙しいのですぐに取りかかれないのはご存知だと思いますが、それでもよいですか?"、"要件文書の作成から成果の提供まで通常1年を要しているのはご存知でしょうか?現在の状況について、来週にでもレビューしましょうか?"、"要件を引き継ぐために、そちらの人々にもっと時間を割いて頂く必要があるのですが、合意して頂けますか?"といった表現であれば理解できますし、相手が望むものであるはずです。

"War & Peace & IT"の表現を借りれば、

未来の不確実性を考えれば、変化のコストを増加させるものはすべて、リスクをも増加させることになります。逆に前者を減少させれば、後者も減少します。変更のコストを削減する、というのは、アジリティの定義そのものです。要するにリスクとは、アジリティの欠如なのです。

InfoQ:ありがちな反論はどうやって克服しますか?例えば、典型的なアジャイル環境では、プロダクトオーナの役席を果たすために必要な人材を、ビジネスが提供してくれないことは珍しくありません。

Schwartz:単純に、もしあなたが自社の人材に投資しないというのであれば、あなたがやりたいと言っていることは価値がない、ということです。

InfoQ: ビジネスチームとテクノロジーチームが共同で作業する場合、何が障壁になるのでしょうか?"wagile"や"fazzy front end"を検討する余地はありますか?

Schwartz: リスクに関しては、テクノロジ以外の立場から会話する必要があります。多額のお金を何に使うかを選択することはできて、何が手に入るか分からないのです。それでも決定は最初にするのですから、最終的にいくら使うのかは知っておくべきです。どのようなビジネス結果を得るためにいくら費やすかを決定し、迅速なフィードバックを使用して、迅速な結果を得ることが必要です。

最新の著作である"War&Peace&IT"で、Schwartz氏は、包括的なDevOpsの進化を含めた、すべての作業に継続的な思考を適用する方法について説明している。

DevOpsイニシアチブでは、作業の開始時点で単に計画を承認するのではなく、継続的な関与とフィードバックを通じてコントロールすることが可能です。定期的にステータスを確認してプロジェクトをチェックするのではなく、完了した作業全体を確認し、使用することができます。進捗状況を測定するよりも、はるかに優れた方法です。リリース直前の数週間でユーザ受け入れテストを行うのではなく、ビジネスの結果を確認することによって、継続的に優先順位を調整し、リソースを再割り当てし、作業の品質を評価することができます。要するに、実際のコントロールの代わりに、認識によるコントロールを行うのです。

 

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