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Waymoがマシンラーニング用に自動運転車データセットを公開

原文(投稿日:2019/09/04)へのリンク

Googleの親会社であるAlphabetが所有する自動運転テクノロジ企業のWaymoは、5時間以上の運転中に自動運転車が収集したセンサデータを含むデータセットをリリースした。このセットには、いくつかの都市と郊外の環境において、さまざまな運転条件下で収集されたLIDAR(レーザレーダ)およびカメラセンサの高解像度データと、車両、歩行者、自転車、標識のラベルが含まれている。

Waymoチームは、Waymo Open Datasetのリリースを発表したブログ記事の中で、"これまで研究用にリリースされた最大で最もリッチ、最も多様な自動運転データセットのひとつ"である、と説明している。データは米国アリゾナ州フェニックス、ワシントン州カークランド、カリフォルニア州マウンテンビュー、カリフォルニア州サンフランシスコで、昼夜や天候の良否を問わずに運用されたWaymo車両によって収集された。データセットは20秒単位の1,000セグメントで構成され、10Hz(つまり200,000フレーム)で収集されており、以下の情報を含む。

  • 5つのLIDARと5つの前面および側面カメラからの同期データ
  • センサキャリブレーションとポーズ
  • すべてのLIDARフレームに対して、3Dバウンディングボックスを備えたオブジェクトラベル(車両、歩行者、自転車、標識)
  • 100セグメントのカメラデータ用の、2Dバウンディングボックス付きのオブジェクトラベル

さらにWaymoは、チュートリアルを含むGoogle Colabノートブックと、モデル作成用のTensorFlowヘルパコードを含むGitHubリポジトリもリリースしている。この大規模なラベル付きデータセットは、自動運転車両の重要な機能である、障害物や交通標識を検出するモデルの、教師付きマシンラーニング(supervised-machine-learning)に使用可能だ。LIDARは3D空間のオブジェクトを特定するポイントクラウドマップを作成できるが、色を検出できないため、たとえば道路標識の文字を完全には認識できない。2Dカメラの画像には距離情報はないが、複数のカメラからの画像を処理することで、深度の再現が可能だ。LIDARは"不要"だとElon Musk氏は主張しているが、LIDARの3Dデータと2Dカメラのデータを組み合わせることで、画像で検出された障害物までの距離を取得するプロセスの簡素化が可能になる。

ライダーポイントクラウド

引用: https://github.com/waymo-research/waymo-open-dataset

Lyftは先月、これと同様のデータセットであるLyft Level 5(SAEが定義した車両自律性の最高レベルにちなんで命名された)を発表している。Lyftのデータセットには55,000フレームが含まれており、Waymoの約4分の1の数である。 Lyftの各フレームには、Waymoよりも多いカメラ(7台)と少ないLIDAR(3台)からのデータが含まれている。両社とも自身のデータが、アルゴリズムとモデルを改善するために研究コミュニティで使用されることを望んでいる。Lyftはリリースで特に学術研究を強調しており、データセットを使用したマシンラーニングコンペティションの後援を計画している。

当然ではあるが、いずれのデータセットも非営利目的にのみライセンスされている。LyftのデータはCreative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlikeライセンスでリリースされているが、Waymoのライセンスはさらに限定的で、"車両の運転または車両の運転支援"のための使用さえも除外している。 あるユーザはTwitterで、Waymoはデータセットを"オープン"と説明しているが、ライセンス契約は"一般に理解されているオープンの定義を満たしていない"、と指摘した。

ある意味では、自動運転車はすでに現実であり -- Waymoの自動運転タクシーはフェニックスで2年以上運転されている -- 将来的にはロボットカーが命を救う可能性があることを示す研究もあるが、現時点で"ゴールデンタイムの準備ができている"かは確かではない。Waymoのタクシーには安全のバックアップとして運転者が同乗しているし、自動運転ソフトウェアが乗客に悲惨な経験をさせることもある。テクノロジニュースサイトのThe Informationでは、7月と8月、10,000件を超えるWaymoのドライブを対象として、乗客の評価とフィードバックを調査した。ドライブの70%はパーフェクトという評価を受けており、今年の第1四半期よりも改善されているが、乗客の一部は、この体験が"不快で実に憂慮すべき"ものだ、と不満を述べている。車が遠回りの道を選択したために遅くなった、という不満もある。

AIの研究者でルンバの共同設立者であるRodney Brooks氏は、本当のロボットタクシーサービスは2032年まで実現しないだろう、と述べている

無人運転車の実行可能性が真に試されるのは、単なるテストやデモを行っている時ではなく、無人タクシーやライドシェアリングサービス、あるいは最終消費者向け自動運転車用駐車場のオーナが、それによって実際にお金を稼いでいる時になるでしょう。

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