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JAFAC 2019のハイライト - 第1日: リーダシップ、破壊、倫理、社会改善

原文(投稿日:2019/09/16)へのリンク

JAFAC (Just Another F&#k!ng Agile Conference) 2019が、2019年9月5~6日、ニュージーランドのウェリントンで開催された。Nomad8が主催するこのカンファレンスは、新しいさまざまな声を表に出し、共通する疑念を解消するとともに、アジャイルのアイデアがさまざまな状況において広く適用されている方法の周知を目的としたものだ。掲げられた重要なテーマにはリーダシップ、破壊(disruption)、倫理(ethics)、社会改善におけるテクノロジの応用、などがあった。

イベントに中核的なテーマはなく、主催者が"話を聞きたい人たち"を招待して、講演する内容は全面的に任せる、というスタンスだ。カンファレンスは両日とも、午前中は招待された講演、午後はオープンスペースでの講演、という構成だった。今回の記事では、初日の講演からの重要なメッセージを紹介しよう。

最初の講演は、ウェリントンのディジタルデザインエージェンシSpringloadの創業者兼CEOであるBron Thompson氏だった。講演の主なポイントは3つだ。

  • 現代的組織において効果的なリーダになるためには、よい人であること、自分の仕事をうまくできることが必要となる。自分のスーパーパワーを見つけて受け入れること — Bron氏にとってのそれは違いであり、違いを受け入れることだ。
  • 利益よりも大きな目標を持ち、世界を変えること。 気候変動と技術的破壊が経済を牽引している今、生き残り、繁栄するためには、物事の見方を変える必要がある。
  • 倫理的ビジネスと社会的良心。組織と個人は、倫理的なマニフェストを持たなければならない。世界をよりよくするために、あなたは何をするつもりなのか?

REA groupのチーフインベンタ(inventor)であるNigel Dalton氏は聴衆に対して、自身がアジャイルに対して懐疑的であることを告げた上で、精神を病んだタクシー運転手の話をもとにしたWikk Selfの2006年のSF小説Book of Daveのようにアジャイル憲章を扱うべきだ、と警告した。聴衆に向かって氏は、"2001年に12人の白人中年男性がまとめた12のアイデア"を過剰に読み込むよりも、憲章の著者たちに影響を与えた"Toyota Production System"、"Lean"、"Theory of Constraints "などの文章を読むべきだ、と強く警告した上で、その端緒として次の書籍を紹介した。

Whare Hauorakaiwhakahaere(マネージャ)であるHiria Te Rangi氏は、低温で湿度の高い家庭内でのカビ繁殖に起因する、ニュージーランド特有の医療問題への対処として同社が取り組んでいる、ちょっとしたイノベーションアプローチについて説明した。氏は問題の背後にある理由("An Aotearoa where your home doesn't make you sick")に注目し、その明確なミッションが、例えば必要最小限の機能を備えた安価な製品を選択してセンサを自前で作る、というものではない製品開発へと、氏らのアプローチを導いたことを示してみせた。さらに氏は、危険性のある家庭にセンサを導入するには、家長中心的な思想から離れて、コミュニティによる敬意を持ったパートナ関係へと考え方を変える必要がある、という点についても調査している。

氏の講演の重要なメッセージのひとつは、センサが生成するデータの所有権を尊重することの必要性である。これはつまり、センサのデータを大企業ではなく、家屋所有者の利益として収益化する潜在的機会と、最初の時点からプラットフォームに対する信頼感を築くことの重要性を述べたものだ。氏らは現在、"data principles"のドラフトセットを公開しており、フィードバックを広く求めている。

氏はTEDxでもこのトピックについて講演しており、その内容はこちらで見ることができる。

続いてRuth Brown氏が登壇し、TradeMeでPeople Experienceの責任者として自らが学んだことについて論じた。UXプロフェッショナルである氏は、ユーザ研究と顧客調査の重要性を理解しているが、これらのスキルが社員エクスペリエンスの向上を目的とした社内的役割に直接転換されていないことに驚いていた。氏は講演で、Cameron Adamsのことばを引き合いに、従業員エクスペリエンスを重視することの必要性を説いた。

最初は、素晴らしい製品を作ろうと思っていました。

その時、私たちが実は、素晴らしい製品を生み出すような、素晴らしい会社を作っていることに気付いたのです。

そして最後には、素晴らしい製品を生み出す素晴らしい会社を作る、素晴らしい文化を作り出しているのだ、ということを真に理解しました。

次に氏は、UXにヒントを得たアプローチを、内部に向けて適用した方法について説明した。これらのアプローチを使用すれば、それがいかに、組織の人々にとって印象的かつ有意義な方法で、TradeMeの価値の明確化と伝達を行うのかが分かる。

次にはChorusでStrategy & Business OperationsのGMを務めるVanessa Oakley氏が、組織変革の成功におけるリーダシップ的行動と態度の重要性について講演した。組織を新たな働き方に導くためには、戦略、リーダシップ、文化、コミットメントを同時に変化させることが必要だ。

"人々が成功する環境を作ることはリーダの責任だ"、と氏は強調した。リーダが思想や態度を変えるために使用できるツールはいくつかあるが、それらが機能するのは、組織の人たちが安全で、信頼されている場合に限られる。デジタル時代の働き方改革を支援するのは、具体的には次のようなものだ。

  • クロスファンクショナルチームの形成
  • 変革によって対処しようとする問題の明示的なフレーム化
  • 明確な共通目標が存在すること
  • チームを小規模に保つこと

組織のリーダは競争圧力にさらされている — 一方で効率性を追求しなければならず、他方ではより複雑な環境に対処しなければならない。それらを両立する器用さが求められる。変革を支援するためには、指導者は次のようでなれけばらない、と氏は言う。

  • 未来を形作る(Future shaper)
  • 変革を起こす(change maker)
  • つながりを作る(connection builder)
  • チームで開発をする(team developer)

午後は両日とも、Open Spaceイベントが開催された。これらセッションを要約したポスターがこちらで入手可能だ。

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