先日のブログ記事で、Oracleは、同社Oracle cloud Native Servicesプラットフォームで3つの新サービスを限定的に公開すると発表した。Kafka Compatibility for Oracle Streaming、サーバレスコンポーネントやコンテナとの接続を管理するAPI Gateway、複数のリソースやアプリケーションのログ管理と分析をサポートするLoggingサービスがその内容だ。
Oracle Cloud Native Servicesは、コンテナやサーバレス関数、インフラストラクチャ・アズ・コード、APIなど、最新の開発パラダイムを数多く使用してアプリケーションを構築するためのプラットフォームを提供する。
Oracleの先日の発表では、限定的ではあるが、同サービスのリーチを現代的なクラウドプラットフォーム構築を検討中の開発者にまで拡大する、新たな機能が追加されている。その投資領域のひとつは、Oracle StreamingのKafkaとの互換性に関するものだ。今年始めに公開されたOracle Streamingでは、IoT(Internet of Things)などのビッグデータワークロードの処理能力を、スケーラブルなインフラストラクチャを通じて開発者に提供している。
Kafka Compatibiliryによって、Orcaleのインフラストラクチャを基盤として使用しながら、Kafka準拠のAPIを使ったストリーミングメッセージのパブリッシュ/サブスクライブが可能になる。同社プロダクトリーダのSomnath Lahiri氏は、Kafka Compatibilityを追加したことの重要性について、次のように説明している。
サービスの立ち上げ以来、Oracle Cloud Native Serviceの中心的な理念は、オープンソースを積極的に採用することにあります。今回、イベント駆動アプリケーションや分析を目的としたリアルタイムビッグデータインフラストラクチャ構築のための代表的なメッセージバスプラットフォームである、Apach Kafkaとの互換性を発表できたことを、とても光栄に思っています。
Kafka Compatibilityを使用することのメリットについて、同社では次のように述べている。
Kafka APIによるKafkaエコシステムの利用、ベンダロックインの排除、OracleのエンタープライズAuthN(authentication)およびAuthZ(authorization)セキュリティサービスの活用、pay-as-you-goの課金形態によりKafkaを自己管理する場合に比較して20~40パーセントの費用削減。
Oracleのもうひとつの投資領域は、現在は限定的な公開だが、API Gatewayである。OracleのAPI Gatewayは、Oracle Functionsやコンテナエンジン、計算サービスで実装された下位APIを抽象化するためのHTTP/Sインターフェースの管理と運営を可能にする、高可用性サービスである。
Oracleがその代表的なユースケースとしてあげるのは、Oracle FunctionsをAPIとして公開することだ。同社プロダクトストラテジディレクタのRobert Wunderlich氏が説明する。
Oracle Cloud Infrastructure上に構築されたアプリケーションや、他のクラウド上の分散アプリケーションから、API Gatewayの提供するRESTful APIを通じて、Oracle Functionsにアクセスすることが可能になります。ゲートウェイを使用すれば、OAuth2で認証されたRestful API経由でOracle Functionを使用したり、バックエンドを容量的スパイクから保護するためのレート制限を装備することも可能です。
最後に発表されたのは、インフラストラクチャリソースやアプリケーションが生成したログの収集と管理を行う、スケーラブルなログ管理および分析用プラットフォームである。収集されたログは、管理者が検索および分析することが可能になる。さらに、組み込まれたルールエンジンを使用することで、リアルタイムに近い警告を行うこともできる。