JetBrainsは、DE(統合開発環境)内に表示されるコードの視認性向上策の一環として、新フォントのMonoをリリースした。文字間のスペースを最大限にすると同時に、数字の1と小文字のL、大文字のIなどの文字を視覚的に区別可能な点が特徴だ。
MonoはSourceFoundaryのHackやMozillaのFira Fontのような、オープンソースのコーディング用フォントの部類に属する固定幅フォントである。Monoを特徴付けているのは、個々の文字を分離する輪郭の明確な描線と、小文字の多くを同じ高さに保つための曲線である。同じような曲線を使って文字の高さを同じにすることで、視線を上下させることなく、コード行全体を簡単に見渡せるようになる。monoの紹介ページには、FiraやConsolasを含むさまざまなフォントを並べた比較が掲載されている。各フォントの中で、monoの文字は比較的大きく、またユニークな曲線を持っている。
標準とイタリック、何種類かの太字というように、いくつかの字体で表示することができるだけでなく、関連するさまざまなコーディングパラメータを組み合わせて設計された合字もいくつか含まれている。例えばMonoには、Javaラムダ式の矢印("->")やHTMLのコメント("<!-- -->")の他、"以上(less-than-or-equal-to)"などの論理比較のように、特殊文字の寛容的な特殊文字も含まれている。
Monoは完全無償なオープンソース(Apache 2.0)のフォントで、直接ダウンロードが可能な他、IntelliJ IDEの将来バージョンでも使用される予定である。JetBrainsのインストラクションに沿ってフォントをオペレーティングシステムにインストールすれば、Apache NetBeansなど他のIDEや、IDEを使用しないコーダもフォントを使えるようになる。書籍"Developer, Advocate!"の読者ならば、IDEを直接使わなくても、カンファレンスやプレゼンテーションのスライドのコード例でフォントを目にしたことがあるだろう。PowerPointのようなプレゼンテーションソフトウェア内でMonoを使用すれば、他のテキストと明確に区別できるため、技術系の聴衆がそのコードの意図する問題解決を理解する上で、より親しみやすさを感じるようになる。ドキュメント全体や資料全般よりも一部のセクションに注目を集めるということは、スライドにコードを記載する大きな理由のひとつなのだ。同じように、聴衆の前でアプリケーション作成のライブコーディングを行うデベロッパアドボケートにとっては、遠い位置にいる観衆にも読みやすくするという目的で、このフォントを利用することができる。
Monoのもうひとつのメリットは、マレーやアフリカーンス、スコットランドゲールなどを含む、143ヶ国語の国際的オーディエンスに対応可能な点である。世界中の開発者が、利用可能な文字という制限に縛られることなく、自分のボキャブラリに適した方法で文字列や変数名を記述することが可能になる。
MonoフォントはJetBrainsから直接ダウンロードすることができる。