Angular 9.1リリースはTypeScript 3.8のサポートを追加し、Angularアプリケーションの構築にかかる時間を短縮する。
TypeScript 3.8は言語を大幅に改善し、プライベートクラスフィールドやトップレベルのawaitなどのいくつかの新しいES2020機能、およびタイプのみのインポートとエクスポートを追加した。TypeScriptのこれらの進歩をサポートするために、多くのプロジェクトが最近アップデートをリリースした。
Angular 9.0では、待望のIvyエンジンがAngularアプリケーションのデフォルトのコンパイルおよびレンダリングパイプラインに切り替えられた。さまざまなAngularライブラリとの互換性を追加するために、Angularはngcc
ツールを提供している。Angular 9.1では、ngcc
は以前のシーケンシャルなコンパイルの制限ではなく、パッケージを並行してコンパイルできるようになった。
Angular 9.1では、新しいAngularコンポーネントを、デフォルトのインラインではなくCSSブロック表示として定義するためのサポートも追加されている。
エンドツーエンドのテストに対するAngularのアプローチの更新では、grep
およびinvertGrep
オプションをProtractorに渡すことがサポートされる。これは、Angularでもサポートされている他のフレームワークとの一般的なアプローチである。
Angular 9.1では、TSLintへの依存関係もバージョン6.1に更新されている。以前のAngularリリースからプロジェクトをアップグレードする開発者は、まずAngular 9.1にアップグレードしてから、次のコマンドを実行する必要がある。
ng update @angular/cli --migrate-only tslint-version-6
TSLintのアップデートは、2019年初頭にTSLintが非推奨となったことから、TSLintからTypeScript版のESLintへの切り替えを期待していたコミュニティでは共通の疑問だった、今回のアップデートで、TSLintからTypeScript版のESLintへの切り替えが可能となった。Angularチームはすでにバージョン10に向けて作業を進めており、TSLintからESLintへの切り替えを含む予定である。
Angularは、MITライセンスの下でAngular GitHubリポジトリから入手できるオープンソースソフトウェアである。フィードバックと貢献は、Angularの貢献ガイドラインと行動規範を通じて奨励される。