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リモートワーク時代のインシデント管理

原文(投稿日:2020/07/13)へのリンク

テクノロジエンスージアストで、OpsRampのグループプロダクトマネージャを務めるMichael Fisher氏は先日、IT運用担当者とDevOpsチームによる、インシデント管理プロセスに対する問題優先型(problem-first)アプローチについて、ブログ記事を公開した。これはソフトウェア開発業界におけるトレンドのようである。というのは、Laura Magure博士とNora Jones氏も先頃、learningfromincidents.ioでの記事"Learning from Adaptations to Coronavirus"の中で、関連する課題を取り上げているのだ。

世界中がCOVID-19に対処する中、企業は自社の従業員やネットワークオペレーティングセンタ(NOC)、サイト信頼性エンジニア(SRE)、IT、サポート、ソフトウェア・エンジニアリングチームに対して、リモートでの作業を指示するようになっている。このような状況を見て、Maguire、Jones両氏は、"ループの中に留まって、意思決定や変革に関するコンテキストを維持することが難しくなっている"と主張する。Fisher氏が説明しているのは、エンタープライズサービスの可用性や健全性を管理する上で、チームがプロアクティブになることの必要性だ。

問題優先型アプローチの出発点としてFisher氏が提案するのは、USE(Utilization Saturation and Errors)メソッドを使用することだ。計算パフォーマンスとクラウドコンピューティングの業界エキスパートであるBrendan Greg氏が開発したUSEメソッドは、一般的なパフォーマンス問題を解決する場合の重要領域である使用率(Utilization)、飽和率(Saturation)、エラー率(Errors)に注目し、各リソースの使用率、飽和率、エラー率を調査することによるチェックリストの作成を求めるもので、システムのボトルネックの特定を目的として、パフォーマンス調査の早い段階で実施される。この作業が、重要なメトリクスを警告システムに設定するニーズを引き起こすことで、ログ監視がインシデントを早期に検出できるようになるのだ。

Fisher氏は、メトリクスを監視し、そこから問題を逆に検出するという、現在のリアクティブなアプローチを"逆転する"必要がある、と断じている。DevOpsとは、人と行動とツールを組み合わせて、ワークフローとレスポンスを作るものだ。従って、それらすべてをコーディネートするというのは理に適っている。インシデント管理に関して、すべての規模に適用可能なソリューションというものは存在しないが、安定したインフラストラクチャの維持に有用な多くのベストプラクティスがすでにある。

インシデント対応チームには、高いレベルの調整力、対話力、応答性が求められる。特に、突然のリモートIT作業によって、複数の通信モードを通じて接続を維持することが重要になっている。SlackZendutySquadcastといったツールを使って、必要な時に必要な人との効果的なコミュニケーションを可能にしておくことを、Fisher氏は提案する。Maguire、Jones両氏もまた、人のループを維持するためには、新たなツールを採用し、それに伴うプラクティスを導入することが必要である、と述べている。

"参照目的で共有可能な視覚的フレーム(virtual whiteboard、trello、google dosc、mural)を可能な限り用意しておいて、作業の共有化と共同化を可能にしておくことです。"

長時間労働による疲労やバーンアウトに関して、Fisher氏は、マネージャがモラルに配慮し、チーム全体がよい状態に維持できるように務めることを求めている。例えばPwCでは>Quarantine Days(隔離期間)というプロジェクトを立ち上げて、世界中のチームが仮想チャットルームで一緒にいたずら書き(doodle)をする、という機会を設けている。安全手順や作業スケジュール、給与処理に関してチームメンバが会話することの可能な、Pez.aiのExpertのようなチャットボットもあって、これらの話題に関する情報をいつでも入手することが可能になっている。

スケールアップの要請に対して、氏は、自動化の役割を強調する。インシデント対応作業の時間的制約や重要性を考慮すれば、自動化は、インシデントの緩和に要する時間の削減に有用なものだ。インシデントのトリアージと調査を行う無償ツールは数多くあるので、それらを使ってインシデント対応タスクを自動化することが可能である。

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