AWSは先頃、コンタクトセンタへのAIの統合を可能にするサービスのコンビネーションを、Contact Center Intelligence(CCI)として公開した。
これらのサービスは、コンタクトセンタのワークフローにおけるセルフサービス、リアルタイム分析、コール後分析といった領域において、顧客要求の管理を支援するものだ。それぞれのソリューションは、12のAWSパートナのひとつが、AWSサービスと音声合成(text-to-speech)、言語理解、チャットボットといった機能を組み合わせて提供することで開発している。
画像引用: https://aws.amazon.com/blogs/aws/aws-announces-aws-contact-center-intelligence-solutions/
現時点では、企業向け検索サービスのAmazon Kendra、音声をテキストに変換するサービスであるAmazon Trascribe、オンデマンド翻訳機能を構築するサービスのAmazon Translateなど、マシンラーニングを使用した6つのAmazonプロダクトがAWS CCIのソリューション構築に使用されている。これらAWS CCIソリューションは、それぞれ使用するAWSサービスと、Accenture、Acqueon、Slalom、Vonageなどのパートナ企業がサービスを提供しているリージョンにおいて利用することが可能である。AmazonのAI担当VPのSwami Sivasubramanian氏は、次のように説明する。
APNテクノロジとの協業と、AWS Contact Center Intelligenceソリューションを市場に提供するパートナのコンサルティングを通じて、クラウドベースのマシンラーニングサービスのメリット実現を容易なものにすると同時に、ML機能を既存のコンタクトセンタに統合するための労力や、専門的な開発者の雇用を不要なものにします。
AI機能をコンタクトセンタに提供するクラウドプラットフォームは、Amazonが初めてではない。IBMは、Watson Assistantを使用したAI for Customer Servieを提供している。Googleは、AIを使用してコンタクトセンタをトランスフォームするContact Center AIを2年以上前に導入した。AWSパートナの多くは、複数のプラットフォームでソリューションを提供している。例えばGenesysは、GoogleとAWSの両方でコンタクトセンタAIソリューションを提供する計画だ。Genesys CloudのジェネラルマネージャであるOliver Jouve氏は、"可能であれば、3番目はMicrosoftにしたいと考えています"、と述べている。
McGee-Smith Analyticsの創業者でコミュニケーションアナリストのSheila McGee-Smith氏は、NoJitterで次のように要約した。
先週の発表には2つの意味があります。ひとつは、革新的なコンタクトセンタアプリケーションを構築する手段として、AWSから提供中のさまざまなAIサービスに注目を集めていることであり、もうひとつは、これらのサービスが、パートナやサービス提供企業にとって費用対効果の高い方法でパッケージ化されていることです。
サービスプロバイダは、例えばAmazon LexやAmazon Kendraなどを使って、部屋の予約や返品管理といったトランザクション要求を処理することができる。新たなCCIソリューションにより、予測は難しいが回答が常にシステム内にあるような質問やユースケースへの対処が可能になるだろう。