Googleは先頃、起動画面診断(boot-screen diagnostics)、Windows Serverの自動アップグレード(auto-upgrade for Windows Server)、新しい診断ツール、ライセンスレポートの改善など、いくつかの新機能を発表した。大部分はベータ版で、Google Cloud (GCP) 上で動作するWindowsワークロードに関する問題のトラブルシュートやアップグレード、必要なライセンスの管理の簡略化を目的としたものだ。
企業は現在、WindowsワークロードをGoogle Cloud内のCompute Engine上の仮想マシン(VM)や独立した単一テナントノードで実行して、コンテナ化したWindowsアプリケーションをGoogle Kubernetes Engine (GKE)で運用することが可能である。さらに、Cloud SQLマネージドサービスを経由してSQL Serverを使用したり、同じくマネージドサービス経由でMicrosoft Active Directoryを使用することもできる。
企業にとって、Google Cloudを使ってプラットフォームを現代化するメリットのひとつが、フリート管理ハードウェアおよびソフトウェアのリーディングプロバイダであるGeotabだ。GeotabによるGoogle Cloudのアプリケーションのモダナイズについて書かれたGoogleのブログ記事では、筆者であるDevOpsアソシエイトバイスプレジデントのPatrik McClafferty氏が次のように記している。
すべてのカスタマのマイグレーションが終了すれば、ライセンスコストとインフラストラクチャコスト削減の結果として、現在の2倍に当たる月額経費削減と、MyGeotabプラットフォーム上のソフトウェアライセンス費用の50パーセント以上の削減が可能になるものと予測しています。
Googleはパブリッククラウドベンダとして、機能追加やライセンスレポートツールの改善など、GCP上でWindowsワークロードを運用する企業への投資を続けている。
ブログの発表記事では、筆者である同社プロダクトマネージャのVenkat Gattmneni氏が、ベータ版として公開される3つの新機能について説明している。
- 起動画面診断: RDPをマシンに導入しなくても起動画面のスクリーンショットの取得が可能になる。毀損したディスクイメージからVMが起動された場合など、VMにアクセスできない場合の問題を診断する手段として有効である。
- Windows 2008の自動アップグレード: gloudコマンドひとつでインプレース自動アップグレード — 現在のVMのバックアップ、アップグレードの実施、障害発生時のロールバック処理 — を行うことができる。
- 診断情報の収集: Windows VM用の新しい診断ツールを使って、必要な情報をすべて収集することができる。障害時のトラブルシュートや、サポートに必要な診断情報を提供するために利用可能だ。
ベータ機能に続いて、IAP Desktopという、単一テナントノードでWindowsワークロードを運用する場合に利用可能な新しいライセンスレポートツールも提供されている。このツールはWindows環境で動作するもので、ログデータを取得し、グラフィカルな結果とレポートをユーザに提供する。
発表記事の最後に、Gattemneni氏は、Windowsワークロードを移行し、最適化し、モダナイズする上で最高のプラットフォームを実現するために、Googleは今後も、すべてのエンタープライズクラスのMicrosoftバックエンドのサポートを対象としたプラットフォームの改善への取り組みを続けていく、と述べている。