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Raspberry Pi 400はARM LinuxデスクトップPCだ

原文(投稿日:2020/11/11)へのリンク

Raspberry Pi Foundationは先頃、Raspberry Pi 400コンピュータをリリースした。コンパクトなキーボードに収められたこの最新のRaspberry Piは70ドルで販売され、HDMI経由でTVに接続すれば、完全な機能を備えたARMベースのLinuxデスクトップPCになる。

Raspberry Piの登場以来、愛好家たちはこれをミニデスクトップコンピュータとして使う試みを続けてきた。最も安価な10ドルのRaspberry Pi Zeroでも、デスクトップコンピュータに必要なすべてのハードウェアコンポーネント — ARM CPU、Linuxデスクトップシステムに必要な容量のRAM、ファイルシステムストレージ用のSDカードスロット、周辺機器を接続するUSBポート、ディスプレイ用のHDMIポート、ネットワークポート(またはオンボードのWiFiおよびBluetooth)を備えており、これらのハードウェアで動作するLinuxオペレーティングシステムもある。

Raspberry Piには少なくとも2つのLinuxディストリビューションがある。ひとつはDebianベースのRaspberry Pi OSであり、もうひとつはUbuntu Linux for Raspberry Piだ。いずれも最新のウィンドウマネージャを持ち、完全なGUIデスクトップPCエクスペリエンスを提供する。これらLinuxのビルド済イメージをダウンロードしてSDカードに焼き込めば、Raspberry Piデバイスでブートすることができる。

難しいのは、Raspberry Pi PCを作るための周辺機器を入手することだ。電子機器ベンダは以前から、ケース、ヒートシンクとファン、ケーブル、コネクタ、電源、Raspberry Pi OSを書き込み済のSDカード、さらにはキーボードやマウスをまとめたRaspberry Pi Kitを販売しているが、これらのキットは100ドル以上する上に、アセンブリが必要だ。

対極的に、KickstarterやIndiegogoなどでクラウドファンディングを集めた複数のプロジェクトが、Raspberry Piボードをラップトップやハンドヘルドコンピュータにするための統合"シェル"を開発している。RasPad、Cutie Pi、CrowPi2、Noodle Piなどがその例だ。今回のRaspberry Pi 400で、Raspberry Pi Foundationもそのパーティに加わり、独自の展開によるデスクトップPCを作ったことになる。

Raspberry Pi 400コンピュータはキーボードと、それに組み込むために特別にデザインされたRaspberry Piボードというファクタで構成される。ボードはRaspberry Pi 4Bに極めて近く、4コア1.8GHzのARM CPU、4GB RAM、WiFiとBluetoothの無線ネットワークを備えている。USB、マイクロHDMI、SDカードスロット、GPIOピン、EthernetなどのI/Oポートは、キーボードの端に並べて配置される。

現時点ではコンパクトキーボードのレイアウトとして6か国のバリエーションが用意されている。電源、USBマウス、マイクロHDMIケーブル、Raspberry Pi OSをプリロードした16GB SDカードで構成されたキット(100ドル)も提供される。このキットを使えば、どのTVでもデスクトップコンピュータにすることができる。

チームのブログ記事ではRaspberry Pi 400を、1985年当時最もポピュラーなホームコンピュータであったCommodore 64と比較している。その記事によると、Raspberry Pi 400はCommodore 64の1/6の価格だが、計算能力は100万倍だということである。コンピュータハードウェアはここまで進化したのだ!

Raspberry Pi 400は完全な機能を備えたLinuxデスクトップコンピュータであり、Piデバイスだ。市販のラップトップやChromebookよりもはるかに安価でありながら、STEM教育素材やプログラムなど、子供や学生を対象とした巨大なエコシステムにはより適している可能性がある。Internetのブラウジング、PythonやJavaScriptの学習、センサやIoT、ロボティクスの学習にはよいデバイスだ。

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