Sidewalk Labsは、最近、機械学習(ML)を搭載した生成設計ツールDelveをリリースした。このツールは、開発者、建築家、およびプランナが都市地域を設計するのに役立つ。MLアルゴリズムは、選択した各設計の影響を測定しながら、空間やプロジェクトの目的に関する最小限のユーザインプットから設計コンセプトを生成できる。
Delveは、予算、場所、大きさなどの基準に基づく都市設計を作成し、ランク付けすることによって動く。このツールは、プロジェクトサイト全体に個々の住宅ユニットを割り当て、各ユニットの昼光を評価し、オープンスペースへのアクセス、歩行性、および、眺望を最適化することにより、高忠実度の設計を生成できる。あらゆる設計は、建物、通りの区画、および、オープンスペース毎に予測した費用が示される。Sidewalkの持続可能性チームは、電気使用量、水、廃棄物、および、屋上ソーラー吸気を評価し、最適化するためのモデルを構築した。
イギリスとアイルランドに拠点を置く都市開発チームのQuintainによって、ロンドン北西のWembley Parkに最近完成した多目的サイトのために、Delveの発表前のバージョンが活用された。 Delveにより40,000種類の設計を生成、評価、最適化し、最終的な設計で、Delveは住宅数、昼光アクセス、地上の日照時間、および、隣人への日照影響に関する主要な指標のベンチマークパフォーマンスを超えることができた。このケーススタディの説明では、「Quintainは、1区画に対して野心的な目標を持っており、複数の空間要件と性能要件を満たす設計が必要だった。2016年と2019年の以前の設計は、プロジェクトの財務目標を達成するのに十分な住宅数を提供しないか、昼光アクセスを減少させるものであった。」
ニューヨークに拠点を置く建築家のSebastian Errazuriz氏は、人工知能が設計プロセスを引き継ぐので、建築家の90パーセントが仕事を失うことになることを、Delve立ち上げの1年前に予測した。クライアントが、どのような建物がほしいか、予算、場所、大きさ、その他の好みを述べて、すぐに結果を得られる、理論的に仕事を無くすアプリのことを、Errazuriz氏は説明した。Errazuriz氏の予測に加えて、SpacemakerのようにDelveと同様のアプリケーションに取り組んでいる他の企業が増えている。Sidewalk Labsのプロダクト管理ディレクタ、 Okalo Ikhena氏は、これらのタイプのアプリケーションについて、より楽観的な見解を持っており、「Delveは開発者やデザイナに非常に大きな力を提供している。」と述べている。