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Microsoft、新たなデータガバナンスサービスAzure Purviewを公開プレビューでローンチ

原文(投稿日:2020/12/09)へのリンク

Microsoftは先頃、同社クラウドプラットフォーム上の公開プレビューとして、Azure Purviewという名称の新たなデータガバナンスソリューションを発表した。この新サービスは、コンプライアンスリスクを最小化しながらデータの検出とカタログ化を自動化すると同時に、すべてのデータを所在場所に関係なくマッピングすることにより、データ資産のエンドツーエンドのビューを提供する。

Azure Purviewは、Microsoft自身のディジタルトランスフォーメーションとプライバシコンプライアンス活動をアシストするために、"Project Babylon"というコード名の下で、複数年にわたる社内開発作業として始められたものだ。同社にはすでにPurviewとよく似たAzure Data Catalog(ADC)というデータカタログサービスがあったが、ガバナンスよりもメタデータ管理を重視したサービスであったため、European Union's GDPRCaliforniaのCCPAなどのデータ保護規則を満足することは困難だった。PurvuiewによってMicrosoftは、ユーザによる自社データの内容の完全な把握を支援すると同時に、プライバシ規則に伴うデータコンプライアンスの管理と貴重な洞察の抽出を行うための手段を提供する。

Complicane MarketingジェネラルマネージャのAlym Rayani氏は、Azure Purviewに関するセキュリティブログの記事に、次のように書いている。

Azure Purviewは、Microsoft Information Protectionと同じ重要性ラベルとデータクラス分類法に基づいて構築されています。Microsoft Informtaion Protectionの重要性ラベルをAzure Purviewで拡張することにより、SQL ServerやSAP、Teradata、Azure Data Service、Amazon AWS S3などの幅広いデータソースを自動的に発見し、分類し、その機密性に関する洞察を得ることが可能になり、コンプライアンスリスクの最小化における一助となります。

Azure Purviewは3つの主要コンポーネントで構成されている。

  • データ検出、分類、マッピングコンポーネント — オンプレミスやクラウド内にある組織の全データを自動的に検出し、特性や機密性を評価する。 
  • データカタログコンポーネント — シンプルなWebベースのエクスペリエンスを通じて、信頼できるデータの検索が可能なコンポーネントである。視覚的グラフを使用して、関心のあるデータが信頼できるデータソースであるか否かを知ることもできる。
  • データガバナンスコンポーネント — 企業データのランドスケープに関する鳥瞰図を提供し、データ責任者(data officer)による効率的なデータ使用管理を可能にする。このビューにより、環境全体へのデータ分散、データの移動状況、機密データの存在場所といった、重要な洞察が可能になる。

さらにデータマップはApache AtlasオープンAPIとして公開されるため、任意のデータシステムから取得した任意のメタデータを、データ系列に対してプログラム的にプッシュすることが可能だ。

出典: https://www.youtube.com/watch?v=27bA4KFiEKk (screenshot)

Wortellのディレクタで、Microsoft Cloud & Enterprise Securityテクノロジを専門とする、Microsoft MVP/RDのMaarten Goet氏は、InfoQに次のように話してくれた。

Azure Purviewでデータの検出とカタログ化が可能になるのは素晴らしいと思います。Azureだけでなく、AmazonのS3などのサードパーティデータストアやオンプレミスSQLも対象になります。経年的な環境の成長と変化に伴なうデータの拡散、それを追跡することの難しさは、私たちすべてが経験していることです。誰がどの(機密ないしプライバシ関連)データにアクセスできるかを、技術用語ないしビジネス用語で指定することの可能なサービスは、まさにゲームチェンジャです!

MicrosoftのプログラムマネジメントにおけるパートナディレクタのMike Flasko氏も、Microsoft MechanicsビデオでAzure Purviewのメリットに言及している。

データディスカバリと理解の問題はこれで解決します。そして最終的には、自分たちの所持するデータの理解が深まり、組織内でより効率的に利用できるようになることで、より効率的なデータガバナンスの基礎にもなります。

これによってMicrosoftは、独立系データカタログプロバイダのAlationとの提携を先日発表したAWSと競合することになる。AWSは、Amazon Redshift、Amazon EMR、Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)、AWS Glue、Amazon Relational Database Service(Amazon RDS)、Amazon AthenaといったAWSサービスのデータの検索と発見、および管理に同社のサービスを使用する予定である。 

Azure Purviewは、現時点ではSoutheast Asia、West Europe、East USなど一部のAzureリージョンで使用することができる。サービスは2021年1月まで無償試すことができる。サービスの詳細はドキュメントのランディングページに紹介されている。

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