Amazonは、Amazon Elasticsearch ServiceにTrace Analyticsの追加を発表した。Trace Analyticsは、OpenTelemetryをサポートし、サービスに分散トレースを追加する。この新機能は、AWS Distro for OpenTelemetryとも統合される。
Trace Analyticsは、Amazon ElasticSearch ServiceのKibanaのデフォルトのインストールに含まれている。Amazon Elasticsearch Serviceは、AWSがサポートするOpen Distro for Elasticsearchで実行される。これは、ElasticsearchとKibanaのフォークであり元はElasticによって作成された。Trace Analyticsは、Cloud Native Computing Foundation (CNCF) サンドボックスプロジェクトのOpenTelemetryをサポートしている。OpenTelemetryは、分散トレースとメトリックをキャプチャするためのAPI、ライブラリ、エージェント、およびコレクターサービスのセットを提供する。
OpenTelemetry Collectorと互換性のあるアプリケーションライブラリおよびSDKからのトレースデータの収集が完全にサポートされている。これには、OpenTelemetry SDK、AWS X-Ray SDK、Jaeger、およびZipkinを含む。このインストルメンテーションステップはAmazon Elasticsearchの外側で行われ、トレースデータを収集する各アプリケーションに対して実行する必要がある。OpenTelemetry Collectorはこのデータを受信し、OpenTelemetryデータにフォーマットする。Open Distro for ElasticsearchのコンポーネントのData Prepperは、Amazon Elasticsearch Service内で使用するためにOpenTelemetryデータをフォーマットする。Data PrepperはLogstashに似ており、Elasticsearchクラスタ外のマシンで実行される。
この機能は、AWS Distro for OpenTelemetryとうまく組み合わされている。このDistroは、AWSがサポートするOpenTelemetryプロジェクトのディストリビューションを提供し、Amazon EC2、Amazon Elastic Container Service (ECS)、EC2上のAmazon Elastic Kubernetes Service (EKS)、およびAWS Fargateで実行中のアプリケーションと互換性がある。また、オンプレミスのワークロードを実行するために活用することもできる。Lambdaのサポートは、Python 3.8 LambdaランタイムをサポートするOpenTelemetry Lambda Layerを介して利用できる。
AWS CloudFormationテンプレートは、AWS環境にデプロイするために利用できる。ディストリビューションには、Go、Java、JavaScript、Pythonおよび.NETなどの多くの言語をサポートするSDKを含んでいる。リポジトリには、各言語の使用を始める方法の完全なサンプルが含まれる。
Elasticは、Elastic CloudとElastic APMの両方で昨年7月にOpenTelemetryのサポートをリリースした。このリリースには、Elastic APMエクスポータをOpenTelemetryコレクタのコントリビュート (contrib) リポジトリに追加することが含まれていた。この追加では、サンプルと入門ガイドが含まれている。セットアップが完了すると、Elastic APMエージェントによって収集されたデータと同様に、TelemetryデータをAPMアプリ内に表示できる。
AWSとElasticによるこれらの追加は、OpenTelemetryのサポートを追加する可観測性プラットフォームのトレンドを継続している。今月初め、Lightstepは彼らのプラットフォームでOpenTelemetryのサポートを発表した。
Trace Analyticsは、バージョン 7.9以降で実行されているすべてのAmazon Elasticsearch Serviceドメインでサポートされる。現在、米国東部 (US East)、米国西部 (US West)、ヨーロッパ、カナダとAWS GovCloudを含む24のAWSリージョンをサポートしている。