Google Cloudは先頃、API管理プラットフォームApigeeの新たなメジャーリリースを発表した。今回のリリースは同サービスの10回目の誕生日を飾るもので、Apigee Xと名付けられている。
パブリックベンダのGoogle Cloudは2016年、Apigeeを買収し、自身のCloudプラットフォームにApigee API Platformとして取り入れた。サービスは発展を続け、2018年以降は、フルライフサイクルAPI管理分野において、Magic Quadrantの圧倒的リーダにまでなった。さらなる発展を目指すGoogleは、モニタリング機能の追加、新たなエクステンションの追加、ホストターゲットのサポートなどによって、Apigee APIサービスを拡張している。
新リリースのApigee Xでは、AIとの統合強化、セキュリティ、ネットワーキングサービスなどによるサービスの強化が図られている。Google CloudのバイスプレジデントでBusiness Application Platfomrのジェネラルマネージャを務めるAmit Zavery氏がApigee Xを紹介したブログ記事によると、今回のリリースの新機能は、
- ユーザが自身のAPIを24のGoogle Cloudリージョンにわたってデプロイ可能になると同時に、キャッシングも100ロケーション以上に拡張された。
- Cloud Armor WebアプリケーションファイアウォールによるAPIのセキュリティ向上や、Cloud Identity and Access Management(IAM)によるアクセス認証と承認などの機能をApigeeプラットフォームに提供するための統合アプローチ。さらにCMEKによって、選択したリージョンへのデータ保管やネットワークロケーションのコントロールなど、暗号化データに対するより多くのコントロールが提供されている。データへのアクセスはVPC Service Controlを使うことで可能である。
出典: https://www.youtube.com/watch?v=xZ6DYaSZ4WI&feature=youtu.be (スクリーンショット)
- GoogleのAIやマシンラーニング機能との統合により、過去のAPIメタデータのマッピングによる異常の自律的識別、ピークシーズンのトラフィック予測、コンプライアンス要件への準拠の確認などが可能になった。
Apigee Xではさらに、選択したリージョンにデータを保管できるフレキシビリティが提供されているため、ユーザが暗号データをよりコントロール可能になると同時に、すべての規制やコンプライアンス要件に対するビジネスの準拠を保証できる。
Google以外に、MicrosoftもAPI ManagementサービスをAzure上で提供しており、その実行能力とビジョンの完全性によって、Gartner Magic QuadrantのFull Life Cycle API Management 2020に選出されている。この分野における競合サービスとしては、その他にもIBM Connect、SalesforceのMuleSoft、Axway Amplify、オープンソースのKongなどがある。そして最後に、Redditの"10 Best API Management Tools That You Must Know"スレッドの中にも、ApigeeとAzure API managementが選出されている。
Apigee Xの目標について、Zavery氏は次のようにブログ記事に書いている。
単にクラウドを使用する、APIを所有する、あるいはAPI管理を適用するだけでは不十分です。求められているのはディジタルエクセレンス(digital excellence)、すなわち、迅速かつ反復的に、かつ大規模なデプロイによって、ディジタルプログラムを定常的に提供できる能力なのです。収益性のあるプラットフォームをAPIベースで構築し、十分なビジネス収益を生み出すためには、中核的企業戦略としてのディジタルの適用が不可欠です。APIベースのプログラムへの段階的移行から、ディジタルエクセレンスとAPIベースのプラットフォームへ -- この飛躍を遂げられるようにカスタマを支援することが、Apigee Xの中核的目標なのです。
Apigeeの詳細な価格はpricingのページで確認できる。