Googleは最近、Cloud Spannerデータベースのためのポイントインタイムリカバリ機能をリリースした。この新しい機能は、偶発的なデータの損失や破損から保護することを目的としている。
Cloud Spannerは、Google Cloud Platform(GCP)上の分散型リレーショナルデータベースサービスである。このサービスでは、Googleのデータセンターにある物理的なハードウェアクロックを使って、グローバル規模とACIDコンプライアンスを同時に実現している。この構成は、一貫したタイムスタンプを使用してすべてのインスタンスへの読み取りと書き込みをログに記録し、すべてのインスタンスにわたって一貫した時間の概念を提供することを目的としている。
Googleは、2020年5月にCloud Spanner向けにバックアップ・復元機能を追加した。新しいポイントインタイムリカバリ(PITR)機能は、データリカバリプロセスをよりきめ細かく制御できるようにすることを目的としている。
ユーザは、Spannerインスタンスのデータとスキーマのバージョンを保持するようにバージョン保持期間を設定できる。最小1時間から最大7日のバージョン保持期間を指定できる。
望まないデータ損失が発生した場合、ユーザはデータベース全体を回復するか、データベースの特定の部分を復元するかを選択できる。
Cloud Spanner向けのライフサイクル管理機能は、クラウドデータベースへの投資が増加する中で強化されていく。
Gartnerは最近、「2022年までに、すべてのデータベースの75%がクラウドプラットフォームにデプロイまたは移行され、オンプレミスへの戻りが検討されたのはわずか5%になる」と予測した。
MicrosoftのAzure Cosmos DBは、Cloud Spannerとよく比較されるサービスであるが、定期的かつユーザ定義の時点で自動バックアップをキャプチャする。ユーザは、サポートチケットを介してCosmos DBインスタンスの復元を要求できる。Cosmos DBの継続的バックアップ機能は公開プレビュー版である。
Amazon Aurora Serverless v1は、トラフィックの少ないテスト環境に推奨されるデータベースである。インスタンス向けに「最大で直近の5分間で、保持期間中の任意の秒への」ポイントインタイムリカバリを提供する。
ビジネスクリティカルな処理のために設計されたAurora Serverless v2はプレビュー中である。製品のWebサイトによると、Aurora Serverless v1と比較して同様のポイントインタイムリカバリ機能を提供する。
PITR for Cloud Spannerは、すべてのGoogleマネージドリージョンで利用できる。ユーザは、バージョン保持期間中にデータとスキーマのバージョンをホストすることによって消費されたストレージに対して課金される。PITRに関する追加情報は、ドキュメントに記載されている。