9か月の製作で、Eclipse Foundationは、Adoptium運営委員会がAdoptiumワーキンググループ憲章を正式に承認したことを発表した。以前はAdoptOpenJDKとして知られていたこのグループは、2020年6月にEclipse Adoptium after Eclipse Foundationに参加した後、名前をEclipse Adoptiumに変更した。Adoptiumプロジェクトの幹事であるAdoptiumワーキンググループは、以前のAdoptOpenJDK技術運営委員会と協力して、JavaコミュニティにOpenJDKソースコードに基づいてJavaバイナリと完全互換で高品質のディストリビューションを提供する。
Adoptiumワーキンググループの創設組織には、Alibaba Cloud、Huawei、IBM、iJUG、Karakun AG、Microsoft、New Relic、Red Hatが含まれる。各組織からの2人の代表者によってAdoptium運営委員会が構成される。
このマイルストーンについて、Alibaba CloudのAlibaba Cloud IntelligenceのCompiler & RuntimeのディレクターであるSanhong Li氏は次のように述べている。
Adoptiumワーキンググループの創設メンバーとして、私たちはオープンでベンダーに中立な環境を構築し、グローバルクラウドプラットフォームでのJavaランタイムの成長を実現することに取り組んでいます。私たちは開発者による貢献を大切にしています。そして、適切なテクノロジーとリソースを提供して、よりよく、より多くのコミュニティコラボレーションの助けとなるエコシステムを構築したいと考えています。
最近、Alibaba CloudはAdoptOpenJDKと協力して、AdoptOpenJDKのインフラストラクチャ上でDragonwell JDKを構築、テスト、配布した。彼らは、Amazon(Corretto)、Azul(Zulu)、BellSoft(Liberica JDK)、Oracle(Java)、Red Hat(OpenJDK)といったベンダーに加わり、無料から商用サポートまで、OpenJDKのダウンストリームディストリビューションを提供する。
Adoptiumへの移行には、AdoptOpenJDKを複数のサブプロジェクト(Eclipse AQAvit、Eclipse Temurin、Eclipse Temurin Compliance)に分割してAdoptiumトップレベルプロジェクトの下に置くことが含まれていた。
AQAvitは、AdoptOpenJDK品質保証(AQA)テストスイートを使用した単体テストに重点を置いている。AQAマニフェストに基づいて、OpenJDKリリースビルドに対して整理された一連のオープンテストが実行される。それによって、バイナリが機能的に正しく、安全で、パフォーマンスが高く、スケーラブルで耐久性があることが確認される。
「ランタイム」のアナグラムであるTemurinは高品質のJDKバイナリの構築とリリースに重点を置いている。そのJDKバイナリは、エンタープライズレベル、クロスプラットフォーム、オープンソースライセンス、およびJava SEに対するTCKテスト済みのものである。Temurinという名前は、中毒性のないカフェインに似た分子、1,3,7,9-テトラメチル尿酸(別名テアクリン)から引用している。
Temurin Complianceは、Oracle独自のJava互換性キット(あるいはJava SEの場合はTCK)が提供する資料とリソースへのアクセスを管理する。
Javaユーザグループ、Java開発者、ベンダーのコミュニティであるAdoptOpenJDKは2017年に設立された。これは、複数のプラットフォームに渡ってOpenJDKに対するオープンで再現性のある、ビルドおよびテストシステムが欠如にしていることに対処するためのコミュニティである。AdoptOpenJDKは、OpenJDKおよびEclipse OpenJ9バイナリをJavaコミュニティに提供した。
Eclipseワーキンググループは、「組織が新しいテクノロジー開発に関して自由にコラボレーションできるようにするためのベンダー中立なガバナンス構造」を提供する。現在、Eclipse Foundationの支援の下に19のワーキンググループがある。Eclipseワーキンググループファミリーに最近追加されたグループには、他にMicroProfileワーキンググループとOSGiワーキンググループがある。