今週のJavaニュース総まとめでは、OpenJDKからのニュース、Hibernate、Micronaut、Quarkus、Payara Platformのポイントリリース、JCenterの状態の更新、Adoptium Working Groupに参加するManageCat、国際貿易部門で2021年の英国女王賞を受賞したPayaraを取り上げる。
OpenJDKでは、JEPの更新とJDK 17バイナリの早期リリースに関連した忙しい1週間だった。
JDK 17をターゲットとする実験的なAOTおよびJITコンパイラの削除であるJEP 410は、候補から統合ステータスに昇格した。InfoQが先頃報告したように、このJEPは、「OpenJDKでのGraalコンパイラの道の終わりを示す。コンパイラの実験的なJVMCIインターフェースはOpenJDKに引き続き存在するが、Java-in-JavaバージョンのGraalは出荷されなくなる。ただし、Graalテクノロジーの開発は、OracleのGraalVMプロジェクトで今後も継続される。」
Java APIドキュメントのコードスニペットであるJEP 413は、ドラフトから候補ステータスに昇格した。このJEPでは、デフォルトのHTML形式の出力を生成する有名なJava APIドキュメントユーティリティであるOracleのStandard Docletに @snippet
タグを導入する。目的は、APIドキュメントにサンプルソースコードを含めることを簡素化することだ。InfoQは、より詳細なニュース記事でフォローアップする。
Vector API (Second Incubator) であるJEP 414も、ドラフトから候補ステータスに昇格した。このJEPは、サポートされているCPUアーキテクチャで最適なベクトル命令に実行時に確実にコンパイルされるベクトル計算を表現するAPIを導入する。JEP 338によって最初に提案され、JDK 16にインキュベーターモジュールとして統合されたこのJEPは、Javaコミュニティからのフィードバックに基づく拡張とパフォーマンスの向上が組み込まれている。
JDK 17の早期アクセスビルドが利用可能になった。これまでにGAリリースのターゲットになったJEPは次のとおり:
- 356: Enhanced Pseudo-Random Number Generators
- 382: New macOS Rendering Pipeline
- 391: macOS/AArch64 Port
- 398: Deprecate the Applet API for Removal
- 410: Remove the Experimental AOT and JIT Compiler
より詳しくはリリースノートに記載されており、開発者はJava Bug Databaseを介してバグを報告することが奨励されている。
また、Hibernate ORMとHibernate Reactiveの多くのポイントリリースとリリース候補がJavaコミュニティで利用可能になったため、Hibernateでも忙しい1週間だった。
メンテナンスリリースであるHibernate ORM 5.4.31.Finalは、hibernate-spatial モジュールに MariaDB103SpatialDialect
クラスが導入されたことで、MariaDB 10.3+に追加の空間サポートを特徴とする。より詳しくはリリースノートをご覧ください。
Hibernate ORM 5.5.0.Alpha1は、最終的にJakarta Persistence 3.0仕様をサポートするため仕掛中 (work-in-progress) としてリリースされた。この進行中の開発の一環として、-jakarta
サフィックス (例: hibernate-core-jakarta
) を使用した新しいアーティファクトが導入された。
Hibernate Reactive 1.0.0への道のりで、重要な変更を特徴とする候補リリース 4が導入された: インターフェイス Stage.SessionFactory
および Mutiny.Session
のそれぞれの close()
メソッドがリアクティブになり、SmallRye Mutiny 0.16.0とHibernate ORM 5.4.31.Finalが統合された。
Object Computing Inc.は Micronaut 2.5をリリースし、Micronaut LaunchでJDK 16とGraalVM 21.1のサポート、Micronaut Dataの改善、およびOracle Cloudとのクラウド統合の改善を発表した。さらに詳細については、新機能ページをご覧ください。
Red Hatは Quarkus 1.13リリーストレインのメンテナンスリリースであるQuarkus 1.13.3.Finalをリリースした。変更ログには最新の詳細が提供され、バージョン 1.13への移行ガイドも利用可能だ。
JCenterとBintrayのサンセットへの懸念に関するJavaコミュニティに応えて、JFrogは元のブログを更新し、人気のあるリポジトリが読み取り専用としてオープンなままになると発表した。書き込みには:
私たちはコミュニティに耳を傾け、JCenterを読み取り専用リポジトリとして無期限に保持します。顧客とコミュニティは、Javaパッケージの信頼できるミラーとしてJCenterを引き続き信頼できます。
InfoQの最初の報告のように、特定のJFrog インシデントレポートで説明されたとおり、MavenCentralに正当に公開されたアセットに悪意のあるコードが組み込まれてJCenterにコピーされた事例があった。InfoQは、より詳細な記事でフォローアップする。
Apache Tomcat、Apache TomEE、Apache Web ServerおよびEclipse GlassFishをサポートするオープンソースミドルウェア会社のManageCatは、参加メンバとして Eclipse Adoptium Working Groupに参加した。これには、Alibaba Cloud、Huawei、IBM、iJUG、Karakun AG、Microsoft、New Relic、Red Hatが創設メンバ組織で参加している。
Payaraでは、Payara Platform Community Editionのバージョン 5.2021.2がリリースされた。機能は次のとおりだ: Jakarta EE 9サポートの改善。KubernetesでのPayara Server Clusteringのプレビュー。JBatch実行履歴のクリーンアップ。詳細については、リリースノートとYouTubeビデオをご覧ください。Payara Platform 2021 Roadmap ウェビナーは、Payaraの展望を学びたいと考えている人のために、2021年5月6日に予定されている。
Payaraは、海外輸出に優れた企業を表彰する国際貿易部門で、エンタープライズ 2021 英国女王賞を受賞した。「ビジネスのナイト爵位」賞と呼ばれることも多いこの賞は、英国で最も権威あるビジネス賞だ。
PayaraのCEOであるSteve Millidge氏は、この賞を受賞することについての考えを次のように記述している:
私たちは、国際貿易の英国女王賞を受賞することに興奮しています。Payaraはグローバルで生まれ、多くの国にチームメンバがいます。この賞は、信頼できるサポートされたエンタープライズソフトウェアを世界中の顧客にデリバリーするという使命へのコミットメントを表彰するものです。
Spring Dataチームからの唯一のニュースは、Spring DataのサンプルをJava 16にアップグレードしたことだけで、Springは非常に静かな1週間だった。これには、Spring Dataで var
キーワードとJavaレコードの使い方が含まれている。