最近のGoogle I/O会議で、GoogleはMobile-Backend-as-a-ServiceプラットフォームのFirebase向けの新製品としてApp Checkを発表した。他のFirebase製品にアクセスするためのセキュリティレイヤーを追加で提供する。既存のFirebase製品の多くで改善が見られた。ローカルエミュレータスイートにはファイルストアのCloud Storageが含まれるようになり、モノリシックWeb SDKがモジュール化され、パフォーマンスモニタリングではデータがリアルタイムで処理される。
Firebaseには、認証やFirestore NoSQLデータベースなどのアプリを構築し、パフォーマンスをリリースおよび監視し(例:リモート設定やパフォーマンスモニタリング)、ユーザエンゲージメントを高めるための製品が含まれている(Googleアナリティクス、リモート設定、クラウドメッセージングを使ったプッシュ通知など)。
Googleは、月に300万を超えるアプリがFirebaseを積極的に使っており、大幅な成長を遂げていると主張している。2019年9月から2020年10月までの13か月間に500,000個のアプリが追加された。最近では、2020年10月から2021年5月までの7か月間に、同じ数のアプリが追加された。このコンテキストから、直近を見積もると、App Storeは220万アプリ、GooglePlayストアは350万アプリとなる。
ほとんどのFirebase製品は、無料で使えるか、あるいは無料プランを提供している。Firebaseは、iOSとAndroidのアプリ、Webプロジェクト、GoogleのFlutter UIフレームワークで構築されたクロスプラットフォームアプリ、ゲーム、バックエンドアプリケーション用のSDKを提供する。
App Checkはトークンを使用してアプリとデバイスの両方を検証するが、認証は特定のリソースにアクセスするユーザの権利を検証する。現在、Cloud Storage、Realtime Database、サーバーレス製品のCloud Functionsを保護しており、他のFirebase製品のサポートも計画されている。App Checkを使うには、iOSのDeviceCheck、AndroidのSafetyNet、Webアプリ用のreCAPTCHA v3が必要となる。
Emulator Suiteを使うと、クラウドコストを負担せずに、そして、テストデータと本番データを混在させることなく、開発者のマシン上でFirebase製品を実行できる。Cloud Storageが追加される前に、Authentication、新しいFirestoreデータベース、古いRealtime Database、Cloud Functions(Pub/Subを含む)、ホスティングをサポートされていた。
バージョン9でのFirebase Web SDKのモジュール化は、ベータ機能である。これにより、ビルドツールはバージョン9 SDKのいわゆるツリーシェイクを実行できるようになる。これにより、デプロイのためのSDKサイズを最大80%縮小することが約束される。
新しいリアルタイムデータに加えて、パフォーマンスモニタリングでは、最近改良されたダッシュボードにトレースを含むテーブルも表示される。
リモート設定により、機能フラグとアプリのパーソナライズが可能になる。カスタマイズされた設定値がユーザセグメントや個々のユーザに配信することにより実現される。さらに、リモート設定コンソールにより、設定パラメーターの表示が改善され、ロールアウトの準備ができている設定の変更箇所がより適切にハイライトされる。Googleは、A/Bテストの結果ページも刷新した。新しく発表されたパーソナライズ機能は、機械学習を使って、特定の目標(収益やエンゲージメントなど)に基づいて、いずれのユーザに対しても適切な設定を自動的に適用する。これは、まだ一般には公開されていない。
アプリ配布により、開発者はiOSとAndroidの両方でアプリのテストバージョンを出荷できる。現在、Androidの古い公開形式であるAPKファイルに加えて、Androidの現在の公式アプリ公開形式であるAndroid App Bundlesをサポートしている。
Crashlyticsによって、モバイルアプリのクラッシュデータを分析し、カスタムキーによる検索とフィルタリングができるようになった。また、AndroidのNative Development KitやUnityなどのゲームエンジンで構築されたアプリに対するサポートも改善された。
Googleはまた、Firebaseのプラグインである最近の拡張機能を強調した。これは、Cloud Firestoneデータベース内の全文検索とユーザコメントの分析を提供し、Firebase AuthenticationユーザデータをMailChimpと同期し、MessageBirdでメッセージ(テキストメッセージまたはチャットプログラム)を送信するものである。