最近、AWSは、Amazon Route 53 Application Recovery Controllerの一般提供(GA)を発表した。これはAmazon Route 53に追加された新しい機能セットだ。この機能により、顧客は、障害からの復旧のためにアプリケーションを継続的に監視しやすくなる。そして、AWSリージョン、アベイラビリティーゾーン、オンプレミスインフラストラクチャ横断でのリカバリ制御がしやすくなる。
通常、AWSは、グローバルインフラストラクチャを使って、AWSリージョン内のAWSアベイラビリティーゾーンを通してアプリケーションレプリカを冗長的にデプロイし、ネットワークあるいはアプリケーションロードバランサーを活用してトラフィックを適切なレプリカにルーティングする機能を提供する。ただし、一部の顧客は、処理に関する高可用性に対して、さらに厳しい要件があり、秒または分刻みで測定される回復時間目標(RTO)に関して99.99%以上の可用性率が必要とされる。このような要件を満たすには、さまざまなAWSアベイラビリティーゾーン、AWSリージョン、オンプレミス環境に複数のレプリカをデプロイし、Amazon Route 53と組み合わせて使うことが選択肢となる。Amazon Route 53により、エンドユーザを適切なレプリカに確実にルーティングできる。
AWS Newsのブログ投稿で、Amazon Route 53 Application Recovery ControllerのGAリリースに関して、AWSの主任ディベロッパーアドボケートSébastien Stormacq氏は次のように説明している。
Amazon Route 53 Application Recovery Controllerは、非常に高い可用性と低いRTOが要求されるこれらのアプリケーション(通常はアクティブ・アクティブアーキテクチャを使うアプリケーション)の構築に役立ちますが、他のタイプの冗長アーキテクチャもAmazon Route 53 Application Recovery Controllerを使う価値がある可能性があります。これは、準備チェックとルーティング制御の2つの部分で構成されます。
準備チェックでは、AWSリソースの構成、容量、ネットワークルーティングポリシーを継続的に監視される。このため、ユーザはリカバリ操作を実行する機能に影響を与えるどんな変更も監視できるようになる。さらに、チェックにより、必要なときに引き継げるようにリカバリ環境がスケーリングされ、設定されていることも確認される。次に、ルーティング制御は、障害時にアプリケーションレプリカ間でトラフィックのバランスを調整して、アプリケーションを確実に継続して使用できるようにするものである。最後に、このコントールはAmazon Route 53ヘルスチェックと連携して、DNS解決を使ってトラフィックをアプリケーションレプリカにリダイレクトする。
出典: https://aws.amazon.com/route53/application-recovery-controller/
他のパブリッククラウドベンダーも、Amazon Route 53や新しいApplication Recovery Controllerと同様の機能を提供している。たとえば、Microsoftには2つのサービスがある。
• Azure DNS。これにはドメイン管理とDNS管理を含む。
• トラフィックマネージャー。DNSレベルのトラフィックルーティング、負荷分散、フェイルオーバー機能を提供する。
最後に、Amazon Route 53 Recovery Controller機能は、どのパブリック、商用AWSリージョンでも利用できる。料金は準備チェックごと、クラスター利用に対して1時間ごとである。価格の詳細については、Amazon Route 53の価格ページをご覧ください。