Microsoftは先頃、7月末までにAzure Arc対応SQLの一般提供開始すると発表した。Azure SQLインスタンスを拡張し、エッジデータセンタ上やマルチクラウド環境内でのホストが可能になる。Azure Arc対応SQL Managed Instanceは、最新のSQL Serverデータベースエンジンと100パーセントの互換性を備えている。さらに、既存のSQL Serverユーザが、自身のアプリケーションをAzure Arcデータサービスへとクラウド移行(lift and shift)することを可能にする。
すでに昨年の9月には、Arc対応Azure SQLが、Azure Arc対応SQL Managed Instanceとして公開プレビュー用にリリースされている。SQL Managed Instanceの一般的な目的は、Microsoftのリレーショナルデータベースサービス層である。SQL Serverを基盤とすることで、オンプレミスのSQL Serverインスタンスのように運用することができる。さらに今月末には、Azure Arc対応のSQL Managed Instanceの汎用層(general-purpose tier)がGA提供される予定である。
Azure DataコーポレートバイスプレジデントのRohan Kumar氏は、Azureのブログ記事の中で、Azure Arc対応SQLのメリットについて次のように書いている。
Azure SQLデータベースを任意のインフラストラクチャ、任意のKubernetesにデプロイすることによって、次のようなことが可能になります。
- オンプレミスデータベースに対して、自動アップデートによる常時最新化と、新しい機能やセキュリティアップデートのデプロイが可能になります。サポート終了を気にすることはありません。
- 高可用性、バックアップ、リストアなど、ビルトインされた管理機能により、日常的なデータベース管理者(DBA)タスクを大幅に自動化します。
- 既存インフラストラクチャに対して、クラウドの弾力性(elasticity)をオンプレミスで提供することにより、データワークロードのパフォーマンスを最適化します。必要なリソースのみをダイナミックにスケールアップあるいはスケールダウンし、アプリケーションのダウンタイムを発生させません。
- オンプレミスデータのワークロードのために、Azureの持つ業界最高のセキュリティとガバナンス機能にアクセスし、データを保護します。
出典: https://docs.microsoft.com/en-us/sql/sql-server/azure-arc/overview?view=sql-server-ver15
Azure Arc対応SQL Managed Instanceは、Postgresデータベースエンジンのハイパースケール・フォームファクタであるAzure Arc対応Azure PostgreSQL Hyerscaleなどと同じく、より広範なAzure Arc対応データサービスの一部である。さらに、Azure Arc対応サービス全体のポートフォリオには、App Services、Azure Logis Apps、Azure Functions、Event Grid、API Management — 現在は公開プレビュー — なども含まれている。
Azure Arcおよび対応サービスの詳細は"documentation landing page"に、Azure Kubernetes ClusterなどにAzure Arc Enabled SQL Managed InstanceをセットアップするためのガイダンスはGitHubに、それぞれ紹介されている。
最後に、Microsoftは新たなプロダクトや機能のロールアウトを続けているので、PostgreSQLなどの新たなAzure Arc対応サービスのプレビューにオプトインすれば、一般公開時のインテグレートが容易になる。