Microsoftは先頃、vSANハイパーコンバージドvSphereクラスタであるAzure VMware Solution用の永続的ストレージオプションとしてディスクプールを提供する、Azure Disk Storageのプレビュー版を発表した。この永続的ストレージオプションを使うことで、Azure上でのVMwareワークロードの実行に、新たな選択肢が生まれることになる。
ディスクプールは、ストレージ対象として追加されたすべての下位ディスクを対象に、Internet Small Computer System Interface (iSCSI)エンドポイントを公開するAzureサービスだ。ユーザに対して、ハイパフォーマンスで堅牢なブロックストレージとして、Azure Disk Storageにアクセスすることを可能にする。
ディスクプールを導入した企業は、ストレージを多用するワークロードやディザスタリカバリといったシナリオにおいて、Azure VMware Solutionをディスクプールに接続し、VMwareのデータストアとしてディスクを追加することが可能になる。さらに、オンプレミスのSANアプライアンスで公開されるiSCSIエンドポイントと同じように、VMwareに接続することができる。プール内の個々のディスクはiSCSIターゲットとして認識され、クラスタのデータストアとしてアタッチされる。ディスクプールは、そのiSCSIエンドポイントをAzure VMにホストする。
出典: https://docs.microsoft.com/en-us/azure/virtual-machines/disks-pools
ディスクを追加することによって、ユーザのAzure VMware Solution環境のストレージを、コンピューティングリソースとは独立的に拡張することが可能になる。これにより、全体のTCO(Total Cost of Ownership)を低減できる可能性がある。さらに、パフォーマンスティア、ダイナミックスケーリング、バースティングといった、Azure Disk Storageの機能を活用することで、スケールパフォーマンスやコストの最適化が可能になる。
ディスクプールは、リソースプロバイダのAzureサブスクリプションを登録して、ネットワークとディスクリソースを準備すれば、簡単に利用することができる。その上で、ディスクプールを作成し、ワークロードに必要なディスクを追加する。作成したディスクプールをAzure VMware Solutionに追加すれば、準備は完了だ。なお、このプロセスについては、Microsoftが詳細なガイダンスを提供している。
Azure StorageプリンシパルプログラムマネージャであるYuemin Lu氏は、パブリックプレビューについて、Azureブログの記事で次のように述べている。
現在、ストレージのニーズは指数級数的に増加しています。世界のデータの合計は、2019年は45ZBでしたが、2025年には175ZBにまで達すると予想されています。そして、クラウドにおけるリソースのスケーラビリティとフレキシビリティは、あらゆる企業において必要不可欠なものになっているのです。Azure VMware Solutionに新たに統合されたディスクプールは、Azure上で動作するVMwareテクノロジの既知のパワーに、Azure Disk Storageの効率性を加えるものになります。
現時点では、サポート対象のAzureリージョン — Australia East、Canada Central、East US、West US 2、Japan East、North Europe — のいずれかにおいて、ディスクプールをAzure VMware Solutionプライベートクラウドに接続することが可能である。非サポートリージョンにプライベートクラウドをデプロイしているユーザは、サポート対象リージョンに再デプロイすることも可能だ。
最後に、費用については、ディスクプールにデプロイされる下位Azureリソースと、アタッチするディスクによって異なる。詳細はAzure Disk Storage pricing pageに掲載されている。