最近、Googleは放置プロジェクトレコメンダの提供を開始した。これは、Active Assistの新機能で、放置プロジェクトを発見、再利用、シャットダウンするためのワンストップサービスを顧客に提供するものだ。さらに、この機能には、コストを削減したり、アイドル状態のリソースに対するセキュリティリスクを軽減したりするための、アクション可能なレコメンドを自動的に提示する。
同社はまず、クラウドの顧客が自身の環境で試す前に、内部の放置プロジェクトの多くをクリーンアップすることで、放置プロジェクトレコメンダのプロトタイプをテストした。現在、この機能は公開ベータテストとして公開されている。
放置プロジェクトレコメンダは、Google Cloud PlatformのレコメンダAPIを介して利用できる。内部の仕組みとしては、放置プロジェクトレコメンダは機械学習を活用している。APIとネットワークアクティビティ、請求、クラウドサービスの使用状況、その他のシグナルに基づいて、放棄されている可能性のあるプロジェクトを特定する。このシグナルに基づいて、放置プロジェクトレコメンダのユーザは、使用率の低いプロジェクトをシャットダウンする(リソースをクリーンアップする)か、使用率が高いがアクティブなプロジェクト所有者がいないプロジェクトに新しい所有者を割り当てる(プロジェクトを再利用する)かのレコメンドを受ける。
Google Cloudのブログ投稿で、Google CloudのプロダクトマネージャーDima Melnyk氏とBakh Inamov氏が、放置プロジェクトレコメンダの必要性について説明している。
クラウドプロジェクトは、さまざまな理由で放棄や放置される可能性があります。不要になったテスト環境から、プロジェクトのキャンセルやプロジェクトオーナーの入れ替わりなどに至るまでです。そのようなプロジェクトはクラウドの(無駄な)請求になってしまうだけでなく、オープンファイアウォールや特権サービスアカウントキーなどのセキュリティ問題が潜んでいる可能性があります。攻撃者は、暗号通貨マイニングのためにそのクラウドリソースを利用したり、さらに悪い場合には、会社の機密データを侵害したりする可能性があります。
さらに、Google CloudのディベロッパーアドボケートPriyanka Vergadia氏は、次のようにツイートした。
私と同じなら、デモプロジェクトをたくさん作成し、@googlecloudアカウントに放置したままでいるでしょう。私たちは皆、それがセキュリティとコストに良くないことを知っています。放置プロジェクトレコメンダは怠惰な私たちのためのものです。
Anodotが実施した最近の調査で、企業におけるクラウドコスト管理の状況がより明らかになった。クラウドコストの急上昇をすぐに検出できる企業は20%未満であることがわかったのだ。さらに、77%の企業が200万ドルを超えるクラウドコストを抱えており、支出額の詳細を示す数値が提示されたときに不意を突かれたようであった。
放置プロジェクトレコメンダの他に、Googleはすでにコスト管理のような他にもいくつかのコスト最適化機能を持っている。また、MicrosoftとAWSといった他のパブリッククラウドプロバイダも、クラウドコストを削減する機能を提供している。たとえば、Microsoftには、Azure料金計算からAzureコスト管理・請求に至るまで、コストを最適化するためのさまざまなサービスを提供している。また、AWSはAWS Cost Explorerと価格計算ツールを使ってコスト最適化を提供している。
放置プロジェクトレコメンダを使うためのガイドはGitHubから入手できる。