最近のInspire 2021会議で、MicrosoftはMicrosoft Cloud for Sustainabilityのプレビュー版を発表した。これは、企業が二酸化炭素排出量を測定・管理し、持続可能性の目標を設定し、測定可能なアクションを実行する助けとなる新しいサービスだ。
Microsoft Cloud for Sustainabilityを使うと、企業はリアルタイムデータに接続し、持続可能性の目標が達成されているかどうかを確認し、レポートを収集して、SaaSサービスを使って炭素会計を実施できる。Microsoftのエグゼクティブバイスプレジデント兼最高商務責任者であるJudson Althoff氏は、組織が及ぼす全体的な環境への影響を測定することが重要だがチャレンジングでもある理由を説明している。
組織は、環境フットプリントを記録し、ステークホルダに報告し、リソース使用量を削減し、カーボンオフセットまたはリサイクルによってフットプリントを削減し、フットプリントの高いリソースをフットプリントの低いリソースに置き換えられなければなりません。しかし、これを効果的に行うために、データをスプレッドシートに手動で入力することを止めなければなりません。そして、正確なリアルタイムデータを提供するデータコネクタを介して、自動的にシームレスなデータフローを得る方向に移行する必要があります。最終的には、データドリブン分析を基にして行動に移すことなります。
この新しいサービスによって、展開していくことによる環境への全体的な影響を可視化できるようになる。そして、削減戦略策定のためにデータセットを一元化して、レポートが簡単にできるようになる。推奨されるMicrosoft Cloud for Sustainabilityのユースケースとして、Althoff氏は、自身が管轄する部門の環境フットプリントの一部として、クラウド、デバイス、アプリケーションからのIT二酸化炭素排出量について報告するCIOに焦点を当てている。企業は、炭素排出削減目標に対する進捗状況を追跡するための持続可能性スコアカードを提供可能となる。そして、顧客は、排出削減目標を追跡して、特定の排出領域を強調できるようになる。
Microsoftの最高環境責任者であるLucas Joppa氏とMicrosoftのコーポレートバイスプレジデントであるNoelle Walsh氏は、Microsoftからの2030年までのネットゼロのコミットメントを確認し、それが顧客とパートナーにどのように関係するかを説明している。
Microsoftが脱炭素化を支援できるインフラストラクチャは、グリッドだけではありません。新しいデジタルツールを通じて、顧客が自社の運用とインフラストラクチャの脱炭素化を支援できます。これが、新しいMicrosoftソリューションであるMicrosoft Cloud for Sustainability発表の背景にある動機です。
別のレポートで、このクラウドプロバイダーは、公共部門向けの新しいデジタル及び持続可能性フレームワークについて説明している。Microsoftは、排出量追跡ツールを導入した最初のソフトウェア企業ではない。SalesforceのSustainability Cloudを使うと、顧客は炭素排出量の測定とアクションプランの管理を評価できる。Accentureは最近Green Cloud Advisorsを立ち上げ、企業がより持続可能で効率的なクラウド環境を運用できるようにしようとしている。
Microsoft Cloud for Sustainabilityは現在プレビュー中であり、炭素排出量だけが対象領域ではない。Microsoftは、廃棄物と水の消費について同様のツールを提供することを計画している。