Amazonは先頃、ビジネスインテリジェンスサービスQuickSightのエンタープライズエディション用の自然言語による問い合わせツールであるQuickSight Qの一般提供(GA)を開始すると発表した。
BIのアクセスをより簡単にするために導入されたQは、マシンラーニングアルゴリズムを使ってデータ間の関係を理解する。その上で、質問を自動解析して意味を把握し、データを抽出して、結果を数値、グラフ、あるいはQuickSight内のテーブルとして返送する。
AWS re:Invent 2020でプレビュー版が発表されたQは、質問の主題領域を表現するトピック(topic)を使用する。トピックの作成は、組織内のQuickSightオーサ(author)が行う。Amazonは、オーサがトピックを作成する5ステップのプロセスについて説明したビデオを公開している。
自然言語の質問に対する応答の例出典: https://aws.amazon.com/blogs/aws/amazon-quicksight-q-business-intelligence-using-natural-language-questions/
Qの回答を改善するために、データセットやコラムに対してフレンドリな名称や同義語、説明などを加えることができる。ユーザ間でトピックを共有したり、ユーザの質問とQの回答をモニタしたり、その結果をイテレーションすることも可能である。AWSのバイスプレジデントでチーフエバンジェリストのJeff Barr氏は、Qのメリットを次のように説明する。
マシンラーニングを利用することで、既存のデータをよりアクセスしやすい、より価値の高いものにしてくれます。Qを自分専用のビジネスインテリジェンスエンジニア、またはデータアナリストと考えてください (...) あなたの質問の意図を見つけるために、Qは自然言語理解(NLU — Natural Language Understanding)を使用します。複数の分野(セールス、マーケティング、小売、人材管理、広告、金融サービス、医療など)から導き出した語彙や概念を理解するようにトレーニングされたモデルの支援によってQは、QuickSightのサポートする、あらゆるデータリソースを参照する質問に答えることができます。
2016年にローンチされたマネージドBIサービスのQuickSightは、RedshiftやRDS、S3などさまざまなAWSデータリソースに加えて、Salesforce、Abode Analytics、ServiceNow、さらにはExcelなどのサードパーティのソースやアプリケーションもサポートする。
AWSセキュリティコンサルタントのScott Piper氏は、この新たなBI機能とAdam Selipsky氏の公約との関係性を指摘している。
AWSのCEOがTableauの元CEOであったことが、QuickSightに注目の集まる原因になっています。
Corey Quinn氏は自身のニュースレターの中で、機能の名称を疑問視している。
私はよく、"Amazon Aurora"がディズニープリンセスをAWSサービスの命名テーマにしている、とジョークを言います。AWSが私ほど面白いジョークを見つけられなかったことは間違いなく、代わりに"StarTrek: The Next Generation"のキャラクタにちなんだサービスをローンチしたようです。
Qは現時点では英語のみに対応しており、北バージニア、オレゴン、アイルランド、フランクフルトなど、限定されたAWSリージョンで提供されている。価格ページの記載によると、QuickSightはエンタープライズとスタンダードの2エディションで提供されており、リーダおよびオーサ毎に月単位で課金が行われる。Qがサポートされるのはエンタープライズエディションでのみである。