先日行われたDistributed SQL SummitでYugabyteは、Postgres互換のYugabyteDBのデータベース・アズ・ア・サービス版であるYugabyte Cloudの一般供与を開始すると発表した。
オープンソースの分散SQLデータベースであるYugabyteDBは、複数のコンピュータインスタンスにデータを分散する単一の論理リレーショナルデータベースで、Apache 2.0ライセンスで公開されている。各インスタンスはデータベースクラスタのノードとして、SQL互換の分散クエリ層を提供する。
Yugabyte CloudはYugabyteDBのデプロイメントを管理し、クラウドプロバイダ間の基盤の差異を抽象化するとともに、グローバルな一貫性を備えた分散トランザクションを提供する。ユーザはメインプロバイダとなる任意のリージョンを選択して、グローバルにデプロイすることが可能である。Yugabyte Cloudは現在、AWSおよびGoogle Cloud上での運用が可能で、Azureへのデプロイメントも近日中にサポートされる予定である。同社プロダクトリーダのChirag Narang氏は、次のように記している。
YugabyteはPostgresとの互換性、リニアなスケーラビリティ、インフラストラクチャを意識する必要のないレジリエンス、オペレーション、DBA作業の容易さによって、開発者の支持を得ています。すべての企業が、クラウド環境で分散データベースを運用する上で必要なすべての機能を監視し、すべての問題を理解する専門能力や知識を持っているとは限りません。Yugabyteが開発者に好まれるのには、このような理由があるのです。
Yugabyte Cloudは、同期および非同期レプリケーションを使用した地理的分散(geo-distribution)をサポートする。先日のポッドキャストでは、Yugabyteの創立者兼CTOのKarthik Ranganathan氏が、新サービスの中心となる目標を次のように要約している。
3つの特性 — 可用性、拡張性、地理的分散 — を満足し、クラウドで運用可能なリレーショナルデータベースが必要なのです。
さらに氏は、Yugabyteのツイートで次のように述べている。
Yugabyteは今後も、Postgresの上位部分を完全に再現する唯一のデータベースとして、最高レベルのRDBMS機能を提供し続けていきます。
そのRanganathan氏と、同社プロダクト担当VPのAmey Banarse氏によるプレゼンテーション"YugaByte DB — A Planet-Scale Database for Low Latency Transactional Apps"がInfoQで公開されている。
マネージド分散SQLデータベースをプロモートしている企業はYugabyteだけではない。CockroachCloudを提供するCockroachDBもそのひとつだ。Cockroach LabsとYugabyteはどちらも、過去のベンチマークをリリースして、自社のソリューションの利点を強調している。YugabyteのデベロッパアドボケートでAWS Data HeroのFranck Pachot氏は先日、YugabyteDBとPostgreSQLのパフォーマンスを比較したテスト結果をツイートして、Yugabyteのリニアで予測可能なスケーラビリティを示してみせた。
出典: https://github.com/yugabyte/yugabyte-db/issues/10108
Yugabyte CloudはAWSとGCPのマーケットプレイス経由で導入可能で、教育および非営利利用を対象とした永続的に無償のコミュニティサポートYugabyteクラスタであるフリーティア(Free Tier)と、構成機能と企業向けサポートを必要とするアプリケーション用にデザインされたプロダクションティア(Production Tier)が用意されている。後者の価格はvCPUの数をベースとして、0.25ドル/時からとなっている。